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2000 年度 実績報告書

子宮内膜癌のエストロゲン依存性増殖機序におけるサイクリン発現の分子機構の解析

研究課題

研究課題/領域番号 12671587
研究機関信州大学

研究代表者

塩沢 丹里  信州大学, 医学部, 助手 (20235493)

研究分担者 小西 郁生  信州大学, 医学部, 教授 (90192062)
二階堂 敏雄  信州大学, 大学院・医学研究科, 助教授 (50180568)
キーワード子宮内膜 / 子宮内膜癌 / エストロゲン / サイクリン / サイクリン依存性燐酸化酵素(cdk) / C-Jun / 転写因子
研究概要

正常子宮内膜腺上皮細胞のエストロゲン(E)依存性増殖機構を細胞周期調節因子の観点から解析するために、培養子宮内膜腺細胞にEを添加してその後の各細胞周期調節因子の発現を観察した。E添加後約6時間後からまずサイクリンD1の発現が観察され、さらにサイクリンE、A、B1の順に発現が観察された。これらのサイクリンが実際に機能しているかを評価するために、サイクリンとそのパートナーであるサイクリン依存性燐酸化酵素(cdk)との複合体の有無を免疫沈殿法によって観察したところ、サイクリンD1-cdk4、サイクリンE-cdk2の複合体の存在が確認された。さらにこれらの複合体が実際に機能しているかを調べるために、ヒストンH1蛋白の燐酸にて検討したところ、これらの複合体はヒストンH1燐酸化能を有することが判明した。また、これらの所見を反映して、E添加後24時間後には癌抑制遺伝子産物であるRbの燐酸化が観察された。これらのことから、正常子宮内膜のEによる増殖にはサイクリンD1が発現されることが非常に重要であることが判明した。
次に、このサイクリンD1発現の機序を解明するために、サイクリンD1遺伝子上流にあるプロモーター領域を検討したところ、Eによって発現が刺激されることが判明している初期転写調節因子であるc-Jun/c-Fosが結合するAP-1 siteが存在した。このことから、EによるサイクリンD1の発現はc-Jun/c-Fosを介しているのではないかという仮説をたてた。これを検討するために、培養腺上皮にEを添加したところ、添加後4時間でc-Junの発現が上昇したことから、この仮説に矛盾しない結果であると考えられた。現在この仮説をさらに検証するために、サイクリンD1のプロモーターのdeletion constructを用いたルシフェラーゼアッセイを施行中である。

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公開日: 2002-04-03   更新日: 2016-04-21  

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