研究概要 |
[目的]AllopregnanoloneはGABA_A receptorを介して子宮筋収縮抑制作用を持つが、GABA_A receptor機能はsubunit構成で異なると考えられる。我々は子宮筋にのみ豊富なGABA_A receptor π subunit、及びその他のsubunit発現とallopregnanolone感受性について検討した。[方法]妊娠齢13.5-21.5日,非妊および分娩第1日のラット子宮筋を用い、RNase protection assayにおいてGABA_A receptor π subunit mRNAの発現を、semi-quantitative PCRにて他のsubunitの発現変化を検討した。また^3H-muscimol binding assayを行いallopregnanoloneに対するreceptor感受性の妊娠齢による変化を検討した。[結果]1)GABA_A π subunit mRNAは分娩発来時に著明に減少した。2)α1 subunit mRNAが妊娠中増加・分娩時減少するのに対して、α2,δsubunit mRNAは妊娠中減少・分娩時増加した。3)子宮筋GABA_A receptor binding assayにおいて、高親和性binding site(Kd=1.79nM, Bmax=4.9pmole/mg protein)では、妊娠19.5日でallopregnanoloneに対する感受性は最大であった。[結論]ラット子宮筋ではGABA_A receptorのsubunit構成は妊娠齢で変化し、allopregnanoloneに対する感受性を制御して、妊娠維持・分娩発来に影響すると考えられる。
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