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2002 年度 実績報告書

乏精子症男性の精子の分子細胞遺伝学的な検討

研究課題

研究課題/領域番号 12671604
研究機関広島大学

研究代表者

大濱 紘三  広島大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (20034118)

研究分担者 原 鐵晃  広島大学, 医学部附属病院, 助教授 (30198890)
三春 範夫  広島大学, 医学部附属病院, 講師 (30253082)
キーワードリングY / 精子 / 重症乏精子症 / 顕微授精
研究概要

【目的】リングY染色体異常を有する重症乏精子症男性の精子の染色体構成解析することを目的とした。【対象および方法】症例は37歳男性、精液所見は精液量8ml、精子濃度0.4×106/ml、運動率20.5%、奇形率59.1%で重症乏精子-精子無力症を呈していた。末梢血リンパ球を用いたG分染法およびFISH法による染色体検査での核型はmos45,X[72]/46,X,r(Y)(p11.3q12).ishr(Y)(SRY+)[23]/46,X,dic r(Y;Y)(p11.3q12;p11.3q12).ish dic r(Y;Y)(SRY++)[5]であった。患者男性精子の染色体構成、さらに、これら精子が受精した場合に児が持つ染色体核型に関して十分に説明し、インフォームドコンセントを行った上でFISH法による精子染色体分析を実施した。精子染色体分析は18番、X、Y染色体のセントロメアに特異的なプローブ(CEP18,CEPX,CEPY:Vysis社)を同時に用いたthree color FISH法、および13番、21番染色体に特異的プローブ(LSI13,LSI21:Vysis社)を用いたtwo color FISH法により行った。【結果】18番,X,Y染色体を(18/X)、(18/Y)、(18/XY)、(18/O)、(18/YY)で持つ精子の割合は各々35%、24%、16%、15%、1%であった。また、13番,21番染色体を(13/21)、(13/13/21)、(13/21/21)、(13/0)、(0/21)、(13/13/21/21)で持つ精子の割合は各々65%、6%、6%、5%、11%、7%であった。この結果をもとに遺伝相談を行った結果、患者夫婦の希望で顕微授精(ICSI)を施行することになった。【結論】性染色体に関しては35%の精子が正常で、受精しても児に大きな異常を来たさないとされるr(Y)(p11.3q12)精子を含めると59%の精子が正常精子と考えられた。また、13番、21番染色体に関してはinterchromosomal effectの存在が示唆された。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] 三春範夫: "染色体異常と生殖障害"臨床検査. 45巻・2号. 151-160 (2001)

  • [文献書誌] 三春範夫: "不妊症と染色体異常"産婦人科の世界 春季増刊号. 53巻・増刊号. 244-250 (2001)

  • [文献書誌] 三春範夫: "精子・卵子・受精卵の染色体異常"産科と婦人科. 69巻・10号. 1325-1332 (2002)

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公開日: 2004-04-07   更新日: 2016-04-21  

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