研究課題/領域番号 |
12671606
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研究機関 | 徳島大学 |
研究代表者 |
前川 正彦 徳島大学, 医学部附属病院, 講師 (80253201)
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研究分担者 |
大本 安一 大塚製薬, 細胞工学研究所, 主任研究員
木戸 博 徳島大学, 分子酵素学研究センター, 教授 (50144978)
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キーワード | カルシトニン / 子宮内膜 / 抗精子抗体 / RT-PCR |
研究概要 |
CBA/J雌マウスとC57BL/6雄マウスを交配させ、翌朝の膣スメアで精子が存在していれば妊娠0.5日とした。非妊娠マウス、妊娠0.5〜4.5日および妊娠7.5日、9.5日の子宮からtotal RNAを抽出し、G3PDHを内部コントロールとして、ABI PRISM 7700を用いて定量的PCR法を行った。(1)マウス子宮におけるカルシトニンmRNA量をcalcitonin mRNA/G3PDH mRNA (mean±SD)で表すと、非妊娠マウスでは0.72±0.27であり、妊娠マウスではそれぞれ妊娠0.5日が0.12±0.09、妊娠1.5日が0.71±0.31、妊娠2.5日が22.55±10.69、妊娠3.5日が111.38±120.91、妊娠4.5日が21.54.±3.65、妊娠7.5日が21.12±24.19、妊娠9.5日が32.73±3.12であった。ラットの成績とほぼ同様に妊娠3.5日にピークを示したものの、ラットとは異なり妊娠7.5日、妊娠9.5日にもカルシトニンmRNAが発現していることが明らかとなった。(2)そこで妊娠7.5日と9.5日の妊娠子宮の非着床部位からtotal RNAを抽出して同様にカルシトニンmRNA量を定量して着床部位におけるそれと比較した。その結果、妊娠9.5日の非着床部位の子宮のカルシトニンmRNA量は2.71±1.65であった。 以上の成績から、カルシトニンmRNAは妊娠3.5日にピークをとっており、ラットと同様にマウスにおいても胚受容能の指標になることが示唆された。しかし妊娠7.5日および妊娠9.5日の着床部位でも発現していたことは胚刺激によるカルシトニン産生を示唆している。今後、着床部位におけるカルシトニンの局在をin situ hybridizationや免疫組織化学的手法を用いて確認する必要がある。
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