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2001 年度 実績報告書

PTEN発現ベクター導入による不死化ヒト卵巣表層上皮細胞株の形質変化について

研究課題

研究課題/領域番号 12671616
研究機関熊本大学

研究代表者

片渕 秀隆  熊本大学, 医学部, 講師 (90224451)

研究分担者 田代 浩徳  熊本大学, 医学部, 助手 (70304996)
キーワードヒト卵巣表層上皮 / 上皮性卵巣癌 / PTEN遺伝子 / LH受容体遺伝子 / Cip1 / Waf1遺伝子 / Cip2遺伝子 / ICAM1遺伝子 / 造腫瘍性
研究概要

本研究課題において用いる不死化ヒトOSE細胞株は正常ヒト卵巣表層上皮(OSE)へのSV40 large T antigen導入により形成されたもので、この中で軟寒天培地上で高率にコロニー形成能を有するOSE2b2株は、ヌードマウス腹腔内への移植によって、腹水産生を伴う播種性の癌腫形成がみられた。また、同一症例のOSEより得られたOSE2a株はコロニー形成能は低率で、このような造腫瘍性はみられなかった。これらの2つの細胞株において上皮性卵巣癌に関連する代表的な遺伝子の変異の有無ならびに発現の変化の有無を調べた。まず、上皮性卵巣癌に高率にみられるp53遺伝子の変異の有無に関しては、direct sequenceによる解析で両者の細胞株において変異は認められなかった。また、上皮性卵巣癌に関連するSex ster oid hormone receptor、Gonadotrophin receptor、Gonadotrophin releasing hormone receptorの発現を調べた結果、腫瘍形成能を有しない細胞株OSE2a株においてLuteinizing hormone receptor (LHR)の発現がみられたものの、腫瘍形成能を有する細胞株OSE2b2株ではLHRの発現がみられなかった。また、Atlas Human cDNA Expression Array (Clontech)を用いて、既知の588遺伝子の発現の変化の有無を調べたが、これらに含まれる癌遺伝子や癌抑制遺伝子の発現は両者において差がみられなかった。両細胞株で差異を認めた遺伝子は、Cyclin dependent kinase 2 (CDK2) inhibitorであるCip1/Waf1ならびにCip2遺伝子、接着因子であるICAM-1遺伝子で、また、軽度の発現の差がインテグリンならびにカドヘリンにおいて認められた。さらに、LHRの発現を有するOSE2aにおいて、hCG投与によりインテグリンの発現の変化がみられた。また、内在性のPTENの発現をRT-PCR法を用いて観察したところ、両者に発現が確認された。今後、PTENの野生型および変異型発現ベクターを導入による細胞の形質変化ならびにPTENに関する接着因子を中心とした遺伝子発現の変化を検討する。

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] Nitta M., Katabuchi H., et al.: "Characterization and Tumorigenicity of Human Ovarian Surface Epithelial Cells Immortalized by SV40 Large T Antigen"Gynecoligic oncology. 81. 10-17 (2001)

  • [文献書誌] 片渕秀隆, 荒尾慎治, 田代浩徳, 他: "卵巣腫瘍における分子生物学"病理と臨床. 18巻6号. 446-454 (2000)

  • [文献書誌] Okamura H., Katabuchi H.: "Detailed morphology of human ovarian surface epithelium focus on its metaplastic and neoplasitc capability"Italian Journal of Anatomy and Embryology. 106. 263-276 (2001)

  • [文献書誌] Okamura H., Katabuchi H., et al.: "Structural changes and cell properties of human ovarian surf epithelium in ovarian pathophisiology"Microscopy Research and Technique. (In press). (2002)

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公開日: 2003-04-03   更新日: 2016-04-21  

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