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2003 年度 実績報告書

低酸素・虚血状態における子宮内膜カルパインの活性化と着床障害及び習慣流産への関与

研究課題

研究課題/領域番号 12671622
研究機関名古屋市立大学

研究代表者

杉浦 真弓 (小笠原 真弓)  名古屋市立大学, 大学院・医学研究科, 助教授 (30264740)

キーワードカルパイン / 反復流産 / 子宮内膜 / カルパスタチン / 抗カルパスタチン抗体 / 不妊症
研究概要

カルパスタチンはカルパインの内因性インヒビターであり、抗精子抗体の精子抗原のひとつであるBS-17と99.5%の相同性を持つ。抗カルパスタチン抗体が不妊症患者において有意に高値であることが報告されている。
今回、血清中抗カルパスタチン抗体の体外受精胚移植における意義を検討した。
正常月経周期を有する患者より同意のもとに子宮内膜組織を採取し、抗カルパスタチン抗体を用いて免疫染色法を行いその局在を検討した。また体外受精胚移植を行った12症例12周期を対象にして、hCG注射日の血清を採取、ELISA法にて抗カルパスタチン抗体を測定した。年齢、適応、エストラジオール(E2)値、プロゲステロン(P)値、12mm以上の発育卵胞数、卵胞1個当たりのE2、採卵日子宮内膜厚、回収卵子数、形態良好胚数(Veeck分類G1)、hCG陽性率、妊娠率と抗カルパスタチン抗体との関係を検討した。
子宮内膜組織の腺上皮細胞の細胞質に抗カルパスタチン抗体による染色が観察された。また抗カルパスタチン抗体値と年齢、適応、E2値、P値、発育卵胞数、卵胞1個当たりのE2、内膜厚、回収卵子数、形態良好胚数、hCG陽性率、妊娠率との間に有意な関係はみられなかった。hCG陽性症例の中でGSが確認された妊娠群とchemical abortion群の間ではchemical abortion群の抗体値が有意に高かった(p<0.01)。
子宮内膜上皮細胞に存在しているカルパスタチンに対する抗カルパスタチン抗体が着床や初期妊娠維持に対して悪影響を及ぼしている可能性が示唆された。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] Sugiura-Ogasawara M: "PCBs, hexachlorobenzene and DDE are not associated with recurrent miscarriage"Am J Reprod Immunol. 50. 485-489 (2003)

  • [文献書誌] Michimata T: "Decrease of T-helper 2 and T-cytotoxic 2 cells at implantation sites occurs in unexplained recurrent spontaneous abortion with normal chromosomal content"Hum Reprod. 18. 523-1528 (2003)

  • [文献書誌] Suzumori N: "Women with endometriosis have increased levels of placental growth factor in te peritoneal fluid compared with women with cystadenomas"Hum Reprod. 18. 2595-2598 (2003)

  • [文献書誌] Nakano Y: "Psycosocial predictors of successful delivery after unexplained recurrent spontaneous abortions : a cohort study"Acta Psychiatr Scand. 109. 1-7 (2004)

  • [文献書誌] 杉浦真弓: "不育症の病態解明と治療の展望-免疫機構の視点から"日本産婦人科学会誌. 55. 40-243 (2003)

  • [文献書誌] 中西珠央: "不育症における血管内皮型-酸化窒素合成酵素(eNOS)遺伝子多型の意義"日本産婦人科新生児血液学会. 13. 85-86 (2003)

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公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

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