• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2002 年度 実績報告書

クラミジア・トラコマチスの感染機構の解析とその制御に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 12671639
研究機関愛知医科大学

研究代表者

野口 昌良  愛知医科大学, 医学部, 教授 (80065557)

研究分担者 藪下 廣光  愛知医科大学, 医学部, 助教授 (00140046)
キーワードChlamydia trachomatis / heparin / heparinase-1 / heparan sulfate
研究概要

【目的】Chlamydia trachomatis (CT)感染におけるheparinおよびその誘導体による感染阻止効果および宿主細胞表面のheparan sulfate (HS)構造の相違と被感染度との関係を検討することにより、CTの宿主細胞への接着の分子構造を解析することを目的とした。
【方法】CTはL2/432Bu株のelementary body (EB)を用い、heparin誘導体は2-ODS(2位硫酸基を脱硫酸化)、6-ODS(6位硫酸基を脱硫酸化)、CDSNS(2位、6位硫酸基を脱硫酸化)を用い、HeLa細胞を宿主細胞とした。また、CHO細胞とその変異株であるF-17細胞(HSの2位硫酸基が脱硫酸化)、677細胞(HS生成が欠如)、6ST1#2細胞(HSの6位硫酸基が過剰発現)を宿主細胞として被感染率を比較した。
【成績】EBをheparinで、またはHeLa細胞をheparinaseで前処理した場合に感染阻止効果がみられた。EBを2-ODSで前処理するとheparinと同様の感染阻止効果がみられるが、6-ODS、CDSNSは無効であった。一方、HeLa細胞をいずれのheparin誘導体で前処理しても感染阻止効果はなかった。2-ODSの感染阻止効果は12糖以上のサイズがないと発現しなかった。CT感染率はCHO細胞に比べ677細胞では著明に低値であったが、F-17細胞、6ST1#2細胞の感染率はCHO細胞と差がなかった。
【結論】CTの宿主細胞への接着はEBにあるheparin親和性分子が宿主細胞表面のHSに結合することによる。EBが宿主細胞に接着するには、宿主細胞表面のHSの6位硫酸基の発現と12糖以上の構造が必須であるが、その発現過剰が被感染度を増強することはない。なお、heparinがもつ抗凝固作用などの生物活性を有しない2-ODS heparinはCT感染予防戦略に応用しうることが明らかにされた。

  • 研究成果

    (9件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (9件)

  • [文献書誌] 野口昌良: "特集/感染症 クラミジア感染症"現代医学. 84. 39-46 (2002)

  • [文献書誌] 野口昌良: "各科領域におけるクラミジア感染症 産婦人領域における感染症"医学のあゆみ. 203. 415-418 (2002)

  • [文献書誌] Noguchi, M: "Sexually transmitted infections and sterility"JMAJ(Japan Medical Association Journal). 45. 506-510 (2002)

  • [文献書誌] Yabushita, H: "Effects of chemically modified heparin on Chlamydia trachomatis serovar L2 infection of eukaryotic cells in culture"Glycobiology. 12. 345-351 (2002)

  • [文献書誌] Yabushita, H: "Role of VEGF in peritoneal dissemination of ovarian cancer"J. Clinical Oncology. 21. 1756 (2002)

  • [文献書誌] Yabushita, H: "Angiostatin expression in endometrial cancer"Oncology Reports. 9. 1193-1196 (2002)

  • [文献書誌] Yabushita, H: "Apoptosis in relation to p53, WAF1, bcl-2 and bax expression in cervical intraepithelial neoplasia"J. Aichi Med. Univ. Assoc.. 30. 195-202 (2002)

  • [文献書誌] Noguchi, Y: "Detection of Chlamydia trachomatis infection with DNA extracted from fromalin-fixed paraffin-embedded tissues"Diagn. Microbiol. Infect. Dis.. 43. 1-6 (2002)

  • [文献書誌] 浅井光興: "図説ARTマニュアル"永井書店. 509 (2002)

URL: 

公開日: 2004-04-07   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi