研究課題/領域番号 |
12671644
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
耳鼻咽喉科学
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
古田 康 北海道大学, 大学院・医学研究科, 助教授 (60261301)
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研究分担者 |
澤 洋文 北海道大学, 大学院・医学研究科, 助教授 (30292006)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2001
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キーワード | 単純ヘルペスウイルス / 水痘帯状疱疹ウイルス / Tumor necrosis factor-α / 抗ウイルス療法 / MRI / 抗ガングリオシド抗体 / 末梢性顔面神経麻痺 |
研究概要 |
1 末梢性顔面神経麻痺患者における血清抗HSV抗体の型判定 Bell麻痺125例、VZV再活性化症例(Hunt症候群およびzoster sine herpete症例)83例について血清抗HSV抗体の型判定を行った。その結果抗HSV-1抗体陰性の患者においては高率にVZV再活性化が認められた。この結果は逆にHSV-1がBell麻痺の病因であることを示唆している。 2 患者血清のTNF-αの測定 TNF-αは脱髄性疾患のマーカーでもある。麻痺患者血清中のTNF-αをELISA法で測定した。その結果、HSV-1再活性化症例、VZV再活性化症例、Bell麻痺症例における差異は認められなかった。HSV-1再活性化とそれによる脱髄が麻痺発症に関与している証拠は得られなかった。 3 HSV-1再活性化を伴う症例に対する抗ウイルス療法についての検討 PCRを用いた迅速診断により、HSV-1再活性化を伴う麻痺症例に対してプレドニンとアシクロビルの併用療法を施行した。併用療法を施行した12例の治癒率は83%であり、プレドニン療法症例における治癒率(71%)との間に有意差は認められなかった。 4 末梢性顔面神経麻痺症例における血清中抗ガングリオシド抗体の測定 再発性・交代性顔面神経麻痺26症例について、血清中抗ガングリオシド抗体を測定した。ELISA法によりIgO抗体GalNAc-GD1a抗体が交代性麻痺の2症例で陽性となったが、臨床的な意義は不明であった。 5 末梢性顔面神経麻痺症例におけるMRI ヘルペスウイルスの再活性化動態によりMRIでのガドリニウム増強像が認められる範囲に差異が認められた。ウイルス再活性化により内耳道底または膝神経節が最初に障害される機序が推測された。
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