研究概要 |
これまで温熱単独処理による腫瘍細胞へのアポトーシス誘導に、p53が関与していることを報告してきたが、そのシグナル伝達経路の詳細は未だ不明である。そこで本研究では、Bax蛋白が温熱誘導型アポトーシスに及ぼす影響について検討した。まず、ヒト上顎癌由来IMC-3細胞にエレクトロポレーション法にてヒトbax遺伝子を導入した。これらの遺伝子導入株と親株に対し、それぞれ43℃にて60温熱処理を施行し、温熱感受性をコロニー法で調べた。またアポトーシス誘導をHoechst33342染色とDNA断片化とで評価し、さらにWesternblot法にて,poly ADP-ribose polymerasc(PARP)のclcavageを検討した。その結果、bax遺伝子導入株において温熱誘導型アポトーシスが増大し、また温熱感受性が増強したことから、頭頚部癌温熱療法における、boxによる遺伝子治療の可能性が一部示唆された(Ohtsubo T et al. submitted)。
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