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2000 年度 実績報告書

鼻粘膜過敏性の成立機序:T細胞の関与と治療へのアプローチ

研究課題

研究課題/領域番号 12671657
研究機関山梨医科大学

研究代表者

松崎 全成  山梨医科大学, 医学部, 講師 (90283217)

研究分担者 岡本 美孝  山梨医科大学, 医学部, 教授 (40169157)
キーワードアレルギーモデルマウス / 鼻粘膜知覚過敏性 / 好酸球浸潤 / 肥満細胞 / CD4陽性T細胞 / 細胞移入 / Th1 / Th2
研究概要

アレルギーモデルマウスを作成し、磁気ビーズ法により感作CD4陽性T細胞を分離し、無感作のCD4欠損マウス、T細胞、B細胞を欠損するSCIDマウス、肥満細胞欠損マウスに経静脈的に細胞移入した。そして卵白アルブミンあるいはヒスタミンにより点鼻誘発し、鼻粘膜の知覚過敏性、血管透過性への影響、好酸球浸潤の程度を無感作のCD4陽性T細胞移入マウスと比較することで、感作CD4陽性T細胞の意義について検討した。
その結果、無感作のCD4欠損マウスに感作CD4陽性T細胞を移入した群ではヒスタミンに対する過敏性の亢進、血管透過性の亢進が獲得され、好酸球浸潤も増加した。SCIDマウスに感作CD4陽性T細胞を移入しても同様の結果であった。
肥満細胞欠損マウスに感作CD4陽性T細胞を移入したところ、ヒスタミン過敏性は亢進し、鼻粘膜中の好酸球数が有意に増加していた。このことから肥満細胞の関与がなくとも鼻粘膜の過敏性自体は獲得されることが示唆された。
オバルミン感作Th1クローンをあらかじめオバルミンで感作したマウスに細胞移入した結果、鼻粘膜の好酸球の減少は認められたが、抗原点鼻による鼻症状、ヒスタミンに対する感受性ともに変化は認められなかった。
これらのことから、Th2に富む感作CD4陽性細胞の移入により鼻粘膜の過敏性は獲得されるが、その場合肥満細胞は必ずしも必要ではない可能性が示唆された。。好酸球の増加を促すことで確かに過敏性が獲得されているが、一方でTh1細胞の移入では好酸球は減少したが過敏性に改善はなく、好酸球以外に他の因子の関与も考えられ、単にTh1の亢進をはかるだけでは過敏性も含め症状の改善は認められない可能性を示唆するものと考えられた。

  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] 松崎全成: "鼻粘膜過敏性獲得へのT細胞関与についての検討"日本耳鼻咽喉科学会会報. 103. 447 (2000)

  • [文献書誌] 松崎全成: "アレルギー性鼻炎における鼻粘膜炎症の成立機序とその臨床的意義:T細胞からみて"日本鼻科学会誌. 38. 271 (1999)

  • [文献書誌] 岡本美孝: "鼻粘膜過敏症-好酸球の関与"アレルギー. 48. 569-571 (1999)

  • [文献書誌] 岡本美孝: "ウイルス感染と鼻粘膜過敏症"アレルギー科. 7. 393-399 (1999)

  • [文献書誌] 松崎全成: "気道アレルギーとウイルス感染"治療. 81. 814-817 (1999)

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公開日: 2002-04-03   更新日: 2016-04-21  

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