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2001 年度 実績報告書

遺伝子欠損マウスの眼球運動とその際の神経活動解析で行うめまい・平衡障害の研究

研究課題

研究課題/領域番号 12671662
研究機関京都大学

研究代表者

村井 紀彦  京都大学, 医学研究科, 助手 (30324627)

研究分担者 平野 丈夫  京都大学, 理学研究科, 教授 (50181178)
辻 純  京都大学, 医学研究科, 助手 (30252448)
内藤 泰  京都大学, 医学研究科, 講師 (70217628)
キーワード前庭眼反射 / 前庭代償 / グルタミン酸受容体δ2サブユニット / 赤外線 / 前庭小脳 / プルキンエ細胞
研究概要

純エタノールの半規管への局所注入によって、マウスで一側前庭障害モデルを作成し、水平性前庭眼反射利得・位相を術前から障害後28日目まで経時的に測定し、前庭代償を定量的に評価した。野生型では術後急速に利得は低下し、2日目に最低値となり、その後28日目までゆるやかに回復してゆくが、術前の値には届かない。これは他の齧歯類での結果とよく一致し、術後2週間以内程度で消失する静的症状と異なり、動的特性の異常が遷延することが分かった。遺伝子操作の比較的容易なマウスで、前庭代償の定量を行うことが出来た。グルタミン酸受容体δ2サブユニットノックアウトマウスで、同様の実験を行ったところ、術前の数値は野生型と変わらず、術後1から2日目に最低値となり、その後徐々に回復するが、対照と比較すると、術後2から3週目において、利得がホモ接合型で有意に低値であった。位相については野生型、ホモ接合型ともに術直後著明に位相差が増大し、その後徐々に術前値に近づくが、術前の値には回復しなかった。一側内耳破壊後の前庭代償において、健側前庭からの刺激が苔状線維を通じて、また網膜誤差速度情報が登上線維を通じて、それぞれ前庭小脳に入力し、患側前庭神経核を制御することが考えられているが、今回の結果は平行線維・プルキンエ細胞間のシナプス伝達が、障害後の前庭眼反射の制御にも関与することを示唆する。静的症状が消失してくる術後2週目から差が生じることは、健側前庭の刺激が必要であることと矛盾しない。しかし4週目には差がなくなっていることから、このような前庭小脳による制御が前庭代償に必須のものではないことが分かる。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] 村井 紀彦: "振子様回転中の視・前庭相互作用によるvisual suppression検査"Equilibrium Research. 60. 234-240 (2001)

  • [文献書誌] 村井 紀彦: "マウスにおける一側内耳破壊後の前庭眼反射の代償"Equilibrium Research. 61. 40-44 (2002)

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公開日: 2003-04-03   更新日: 2016-04-21  

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