研究課題/領域番号 |
12671671
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研究機関 | 高知医科大学 |
研究代表者 |
竹内 俊二 高知医科大学, 医学部, 助教授 (50188158)
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研究分担者 |
柿木 章伸 高知医科大学, 医学部附属病院, 講師 (60243820)
安藤 元紀 高知医科大学, 医学部, 助手 (20222789)
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キーワード | 血管条 / 細胞間隙 / ループ利尿薬 / Na-K-Cl共輸送体 / Na-K-ATPase / アミロライド |
研究概要 |
血管条内の細胞間隙を介するイオン輸送の動態について ブメタニドなどのループ利尿薬はNa^+-K^+-Cl^-共輸送体を阻害する。これらの薬剤で血管条内の細胞間隙が拡大するが、メカニズムの詳細は不明であった。血管条内細胞間隙のイオン環境は、内リンパ直流電位の発生に直接関与しており、血管条機能においてきわめて重要である。我々は、この現象が血管条内のイオン輸送機構と密接に関連していると考えて実験を行い、以下の結果を得た。 1.ウアバインでNa^+-K^+-ATPaseを阻害しておくとブメタニドを作用させても細胞間隙は拡大しない。2.ブメタニドによる細胞間隙の拡大は、外リンパ灌流で外リンパのK^+を除去しても起こるが、外リンパのNa^+を除去しておくと起こらなくなる。3.アミロライドは上皮性ナトリウムチャネル等を阻害するが、この薬剤の存在下ではブメタニドによる細胞間隙の拡大は起こらない。 以上の結果から以下のことが明らかになった。1.ブメタニドによる血管条内細胞間隙の拡大には、Na^+-K^+-ATPaseによる能動的イオン輸送が関与している。2.ブメタニドによってNa^+-K^+-Cl^-共輸送体が阻害された状態でNa^+-K^+-ATPaseが機能すると、細胞間隙には主にNaが貯留すると考えられる。3.これまで血管条においてはK^+の輸送が主に注目されてきたが、Na^+も外リンパと血管条の間に活発な輸送機構がある。4.Na^+の輸送にはアミロライド感受性の輸送機構が関与している。この機構として、上皮性のNa^+チャネルとNa+-H^+交換輸送体が考えられる。
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