研究課題/領域番号 |
12671672
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
梅崎 俊郎 九州大学, 医学部・附属病院, 講師 (80223600)
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研究分担者 |
安達 一雄 九州大学, 医学部・附属病院, 医員
藤 賢史 九州大学, 医学部・附属病院, 医員
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キーワード | VTR咽頭食道透視検査 / 嚥下障害 / 定量解析 / 喉頭挙上遅延時間 / 咽頭クリアランス / バリウム / コンピュータ / 輝度勾配 |
研究概要 |
本年度は研究実施計画に基づいて、当科嚥下外来にて施行しているVTR咽頭食道透視の記録面像から咽頭期嚥下惹起の遅延、および咽頭クリアランスの定量化を図った。VTR記録された嚥下時のX線透視画像は、ビデオボードを介してパーソナルコンピューターに取り込み、解析の対象となる画像を30フレーム/secでdigitizeした。咽頭期嚥下惹起の遅延すなわち喉頭挙上遅延時間は、造影剤の先端がいずれかの梨状陥凹底部に到達した時点から最初に喉頭が最大挙上に達した点までの時間として計測した。このようにして計測された喉頭挙上遅延時間は、偽性球麻痺タイプの嚥下障害例で延長しており、その延長の程度は臨床所見ともよく相関しており咽頭期嚥下の惹起性を評価するのに適したパラメータであることが示唆された。 また、咽頭クリアランスの定量化には、原則としてバリウム嚥下時の正面画像を用いた。まず実際の検査に用いた造影剤の0-20mmの厚み勾配を検査と同様の条件で撮影し、得られたVTR画像の輝度勾配によりキャリブレーションを行い、造影剤の厚みによる輝度レベルにより厚み係数を算定しておく。次に造影剤を飲む前の画像を取り込み、標準画像とする。解析対象となる原画像は造影剤嚥下時のX線透視画像を640×480pixelで256階調静止画像として入力する。標準画像と原画像を重ね合わせて画像間演算を施し造影剤画像を抽出する。造影剤画像の輝度レベル値に厚み係数を乗じて造影剤の体積を演算する。一回の嚥下量と、嚥下終了後に下咽頭に遺残した造影剤の体積を算出し、一回の嚥下でクリアーされた造影剤の割合を%表示することができた。このようにして算出された咽頭クリアランスは臨床的な定性的評価ともよく一致しており有用なパラメータの一つになりうると考えられる。
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