研究概要 |
1.中耳での研究過程 ラット実験的中耳炎モデルを作成し、経時的な炎症過程とSP-A,SP-Dのタンパク発現を免疫組織学的に検討した。KLH感作後の実験的中耳炎では、中耳へのKLH投与3日目で、中耳粘膜の上皮にSP-A,SP-Dのタンパク発現を観察された。また、耳管粘膜でも、3日後にSP-A,SP-Dのタンパク発現を組織学的に観察することができた。中耳では、タンパクレベルでのSP-A,SP-Dの発現は、正常では観察されず、炎症の惹起によって初めて出現することが観察された。 2.扁桃上皮、口腔粘膜での研究過程 手術時に得られた各種組織からmRNAを抽出し、それぞれのToll-like receptorのメッセージの発現を観察した。各組織とも、TLR1以外はメッセージの発現を認めた。また、扁桃上皮でも、TLRのmRNA発現を観察した。 3.細菌抗原に対する抗原認識機構 扁桃摘出術を施行した後に、血清中抗体の菌体成分に対する認識パターンが変化するかどうかを、小児症例について検討した。3歳以上では、全身性の免疫防御機構のうち抗体の病原性細菌(S.pheumonlae,S.pyogenes,S.aureus)の細菌抗原に対する抗体の認識パターンは変化が認められなかった。 細菌に対するToll―like receptor(TLR)2の反応性を,肺炎球菌などについて行い,シグナル伝達についての解析を行った.グラム陽性菌ペプチドグリカンが,このTLR2を介してシグナル伝達が行われていることを示した.
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