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2001 年度 実績報告書

上気道・咽頭における自然免疫機構の解析と小児反復感染症との関連

研究課題

研究課題/領域番号 12671676
研究機関札幌医科大学

研究代表者

氷見 徹夫  札幌医科大学, 医学部, 教授 (90181114)

キーワード自然免疫 / 生体防御機構 / サイトカイン / 細菌抗原
研究概要

1,自然免疫の解析
Toll受容体の解析を行い、ブドウ球菌由来のペプチドグリカンのTLR4の結合に重要な部位の特定を行った。TLR4遺伝子を強制発現させたHEK293細胞では、deletion mutantの解析から、ロイシンリッチリピート構造のうち、serine40-Isoleucine64の構造が、ブドウ球菌由来のペプチドグリカン認識に重要であることを認めた。さらに、TLR4の細胞外ドメインが他のCD14に置き換えることができないことを報告した。
2.中耳炎起炎菌の新種菌であるAlloiococcus otitidisの解析
A.otitidisが小児中耳炎で高頻度に検出されることを確認し、さらに免疫原性を確認するため、リンパ球活性化、サイトカイン産生能の検討を行い、この菌種が他の起炎菌と同様の免疫賦活化能を持つことを明らかにした。さらに、中耳局所で産生される抗体を検出し、特異的抗原と考えられる分子量40000Daの蛋白を同定した。この蛋白のクローニングを終え、構造機能を検討中である(未発表データ)。
3.肺炎球菌の耐性遺伝子の検討
市井感染としての肺炎球菌の遺伝子解析を行い、ディスク法にて中間、高度耐性を示す菌種のほとんどが耐性遺伝子を持っていることを確認した。さらに、マクロライド系抗生剤に対しても耐性を示すことが確認された。
4.小児扁桃摘出後の生体防御機構の変化
小児における扁桃摘出後でも、細菌に対する特異的抗体に変化なく、細菌抗原に対する認識パターンにも変化がなく、小児でも少なくとも3歳以降では摘出による免疫学的異常が起こらないことが確認された。

  • 研究成果

    (7件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (7件)

  • [文献書誌] 氷見徹夫 他: "扁桃摘出術における生体防御機構の変化"口咽科. 13. 333-339 (2001)

  • [文献書誌] 氷見徹夫 他: "中耳における感染防御機構"耳喉頭頸. 73. 576-587 (2001)

  • [文献書誌] Mitsuzawa H., Himi T.et al.: "Extracellular toll-like receptor 2 region containing serine40-Isoleucine64 but not cysteine3O-serine39 is critical for the recognition of Staphylococcus aureus peptidoglycan"J. Biol. Chem.. 276. 41350-41356 (2001)

  • [文献書誌] 氷見徹夫: "滲出性中耳炎"小児科臨床. 54(12). 2326-2328 (2001)

  • [文献書誌] 氷見徹夫: "慢性中耳貯留液の保存的治療"ENTONI. (印刷中). (2002)

  • [文献書誌] 氷見徹夫: "慢性中耳炎の合併症"ENTONI. (印刷中). (2002)

  • [文献書誌] Himi T: "Recent Advances in Otitis Media"Takasaka T, et al. MONDUZZI EDITORE. 602 (2002)

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公開日: 2003-04-03   更新日: 2016-04-21  

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