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2002 年度 実績報告書

上気道・咽頭における自然免疫機構の解析と小児反復感染症との関連

研究課題

研究課題/領域番号 12671676
研究機関札幌医科大学

研究代表者

氷見 徹夫  札幌医科大学, 医学部, 教授 (90181114)

キーワード自然免疫 / 感染症 / 耐性菌 / Toll受容体 / シグナル伝達
研究概要

1.自然免疫にかかわるToll様受容体の解析
自然免疫機構で重要なToll様受容体の研究行った。TLR2の発現遺伝子をヒト293細胞に導入し強制発現させ、さまざまな条件下でペプチドグリカンにより刺激し、NF-κBの活性化を指標としてTLR2の細胞外ドメインのうち、シグナル伝達に重要な構造を決定した。さらに、ブドウ球菌が直接TLR2に結合すること、サーファクタント分子がTLRに結合して自然免疫の反応を修飾していることを見出し報告した。これらの一連のToll様受容体の研究は現在も推進している段階であるが、細菌感染に対する一連の免疫反応のどこを制御することで、効率の良い防御機構を推進できるかが問題となった。
2.細菌の耐性遺伝子の発現の検討
耐性菌の問題についてもこの研究の中で行った。耐性遺伝子の解析により、すでに80%以上の菌株が耐性を獲得していた。マクロライドヘの耐性や、耐性インフルエンザ菌の問題も提唱されている。さらに、この研究では、キノロン系薬剤に対する耐性も出現していることを報告し、その検出率は老年者に多く、まだ、小児には検出されないことを報告した
このように、耳鼻咽喉科領域局所での炎症のカスケードをサイトカイン・接着分子について検討し、起炎菌の同定を細部にわたって検討した。これらの炎症の惹起するものとして、自然免疫の中でもTLRの働きが重要であることから、それらのリガンドである細菌の菌体抗原、特に細菌に特有の抗原について、局所の反応性について種々の動物モデルを用いて検討した。さらに、PAMP,とTLRの関連を分子レベルで解析し、TLRを介した炎症反応の初期のメカニズムを明らかにした。肺炎球菌について、耐性の頻度を検討するとともに、新たな薬剤についても検討を加えた。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] Mitsuzawa, H. et al.: "Extracellular toll-like receptor 2 region containing serine4O-Isoleucine64 but not cysteine3O-serine39 is critical for the recognition of Staphylococcus aureus peptidoglycan"J. Biol. Chem. 276. 41350-41356 (2001)

  • [文献書誌] Yokota S et al.: "Fluoroquinolone-resistant Streptococcus pneumomae strains occur frequently in elderly patients in Japan"Antimicrob Agents Chemother. 46. 3311-3315 (2002)

  • [文献書誌] Kanaizumi E et al.: "Establishment of animal model of antigen-specific T lymphocyte recruitment into nasal mucosa"Scand J Immunol.. 56. 376-382 (2002)

  • [文献書誌] Shirasaki H et al.: "Expression and localization of the cysteinyl leukotriene 1 receptor in human nasal mucosa"Clin Exp Allergy.. 32. 1007-1012 (2002)

  • [文献書誌] 氷見徹夫 ほか: "扁桃摘出術における生体防御機構の変化"口咽科. 13. 333-339 (2001)

  • [文献書誌] 氷見徹夫 ほか: "中耳における感染防御機構"耳喉頭頸. 73. 576-587 (2001)

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公開日: 2004-04-07   更新日: 2016-04-21  

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