研究概要 |
方法A.アレルギー患者の鼻汁の検討:アレルギー性鼻炎患者の両側鼻腔内を10mlの生理食塩水で洗浄し、遠心して、得られた検体について、アルカリホスファターゼ活性(ALP)を、乳酸脱水素酵素(LDH)、NO、nitrotyrosine(NT)、tyrosine(T)、ECPを測定した。また、鼻洗浄液と血清中の尿素を測定して、鼻汁に換算して検討した。結果:1)ALPとLDHは有意の相関を示した(r=0.292,p<0.05,n=44)、2)ECPとLDHは有意の相関を示した(r=0.395,p=0.0096,n=44)、3)ECPとAPLは有意の相関を示した(r=0.539,p=0.0001,n=44)、4)NOとNTは有意の相関を示した(r=0.505,p=0.0019,n=44)、5)NTとALPは有意の相関を示した(r=0.632,p=0.001,n=39)、6)NTとLDHは有意の相関を示さなかった(r=0.023,p>0.05,n=39)、7)ECPとNTは有意の相関を示さなかった(r=0.294,p>0.05,n=39)。さらに、鼻洗浄液中の細胞について検討中である。 方法B.in vitroにおけるロイコトリエンD4(LTD4)およびPAFの暴露実験:手術時に得られた鼻粘膜片に10^<-7>M、10^<-8>M LTD4および10^<-7>M、10^<-8>M PAFを暴露して、培養液中のLDH、ALP、NO、NTを経時的に測定した。結果:1)培養液中のLDH,ALPは濃度依存性、経時的に増加の傾向を示したが、NTの濃度は本測定法の測定域外であったので、実験方法を変更して検討中である。 また、ヒト培養気管粘膜上皮細胞にPAFやLTD4を暴露して、培養液中のNO、NTを測定した。結果はLTD4とPAFの暴露によってNOとNTは増加の傾向を示した。しかし、統計学的に検討、結論を出すに至っていない。
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