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2002 年度 実績報告書

喉頭組織と男性ホルモン、その特異受容体と関連遺伝子発現

研究課題

研究課題/領域番号 12671686
研究機関聖マリアンナ医科大学

研究代表者

漆畑 保  聖マリアンナ医科大学, 医学部, 講師 (70130987)

キーワード喉頭組織 / 性ステロイドホルモン / 癌細胞増殖抑制 / 細胞死 / 受容体遺伝子 / 共役転写因子 / 細胞培養 / in vivo研究
研究概要

喉頭癌細胞は、アンドロゲン(T)、エストロジェン(E)、コルチゾン(C)により細胞死誘導が起こる。喉頭上皮では、前立腺に代表される男性ホルモンの活性型への変換、5α還元によるTから5α-Dihydrotestosteroneへの代謝はない。喉頭癌細胞株はアロマターゼ及びE受容体βの転写能を有し、Eにより細胞死が誘導される。喉頭上皮細胞では、TはEに代謝される。T喉頭癌細胞死の際、Tの核内での局在、またAR遺伝子転写抑制により細胞死が阻止され、Tも喉頭上皮生理における活性型となる。T誘導喉頭癌細胞死は、Bax及びBcl-2いずれも発現しその均衡の破綻による細胞死である。
ステロイドの癌細胞への関与をin vivoで検証する必要性がある。今回、ホルモン調節機構破綻による発癌とTその他ステロイド感受性を検討、病変が確認された臓器は、副腎皮質(癌腫16例、他の4例も片測、両測性の血腫、水腫又は膿胞何れか発生)、唾液腺(2例)、乳腺(2例)、肝臓(2例)であり100%の個体に癌病変が確認された。一継代株副腎皮質腫瘍移植マウスの致死率100%のものがTにより1.4-2.4倍の延命(47%)及び完全緩快(41%)が観察された。このT誘導癌細胞死に伴い,担癌生体の活動低下を抑制する。一方、T同様にCにより癌の劇的な縮小が観察された、しかし寿命にはそれが反映する事が無く0.56倍短縮された。ガン細胞の増殖抑制そのものが、坦癌生体の延命へと反映しない現象があり担癌生体に対するホルモン療法の危険性の一面を警鐘するものである。
今回用いた喉頭癌細胞株及びマウス副腎皮質腫瘍に対し男性ホルモンが劇的な有効性を示した。しかし、坦癌生体に対し癌細胞増殖の調節を目的でステロイド剤を用いる場合、生体自体への影響は良悪両極を示し、その使用には注意を要する事を今回の実験系は示唆するものである。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] 漆畑 保: "去勢が誘引となるマウス腫瘍発生と男性ホルモン感受性"ホルモンと臨床. 50・冬季号. 1105-1109 (2002)

  • [文献書誌] Tamotsu Urushibata, et al.: "Castration causes unbalance of sex-steroid hormone feedback system and cancer"ITE letters. 13・4. 32-38 (2002)

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公開日: 2004-04-07   更新日: 2016-04-21  

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