研究概要 |
当該年度では、ヒトに快適臭と不快臭を与えたとき,SQULDによって記録された脳磁図(MEG)を高速フーリエ変換(FFT)を行い、これらのニオイ刺激によってMEGにどのような差異があるかについて実験を行った。またこの刺激を右鼻・左鼻について片側ずつ行い、刺激側の優位性について実験した。 (対象と方法)嗅覚正常な成人11名を対象とした。ニオイ刺激は、快適臭としてイチゴやカルメラのニオイ、不快臭として汗のニオイを用いた。被験者は安静・側臥位の状態となり、鼻孔前に呈示されたニオイを自然な呼吸で嗅いだ。刺激時間は60秒間とし、提示順序はイチゴ、カルメラ、汗の順とした。刺激と刺激の間は2分間とした。刺激終了後で各ニオイの快適・不快の程度を問診した。MEGの記録は岡崎国立共同研究機構生理学研究所にある生体磁気記録装置2基(37チャンネル)を用いて行い、記録されたデータを光ディスクにアスキー変換した。申請したデータ処理用コンピュータ(Power Macintosh G4)にデータ転送行い,アプリケーションソフト(Excel)でMEGデータを数値化し、これらのデータをLabVIEWソフトでMEG波形を視察した。 (結果)MEGデータを視察した結果、各チャンネルに多くのノイズやアーティファクトが混入しているのが見いだされた。この原因については不明であるが、現在デジタルフィルタによりこのノイズやアーティファクトを除去し、使用可能なデータとチャンネルを選択する作業を行っている。
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