研究課題/領域番号 |
12671692
|
研究機関 | (社)北里研究所 |
研究代表者 |
橋口 一弘 社団法人 北里研究所, 北里研究所病院・耳鼻咽喉科, 研究員 (80172849)
|
研究分担者 |
新関 寛徳 国立東京医療センター, 皮膚科, 研究員 (10228124)
松延 毅 社団法人 北里研究所, 北里研究所病院・耳鼻咽喉科, 研究員 (00332205)
稲本 伸子 社団法人 北里研究所, 北里研究所病院・皮膚科, 研究員 (80129337)
西川 武二 慶應義塾大学, 医学部, 教授 (50051579)
猪子 英俊 東海大学, 医学部, 教授 (10101932)
|
キーワード | 掌蹠膿疱症 / TNFA / マイクロサテライト / IL-1 RA |
研究概要 |
掌蹠膿疱症(PPP)は手掌、足底に無菌性膿疱を繰り返し発症する慢性皮膚疾患である。病変部位においては著しい好中球の浸潤が特徴的である。本疾患の発症原因はいまだ不明であるが、未治療のPPP患者の血清中TNF-αが健康人と比較し有意に高いことや、膿疱の数が増加するにつれて血清中TNF-αが有意に増加していることが報告されている。またPPPは上気道感染後、特に咽頭・扁桃炎罹患時に皮膚症状の悪化が見られることから、以前より扁桃病巣感染性疾患として本邦では扱われてきている。TNF-αは炎症性サイトカインであり、好中球遊走因子のひとつであることからPPPの発症に何らかの役割を担っているものと考え、TNF-αの産生量を調節しているTNF遺伝子多型について検討してきた。TNFマイクロサテライトには6つの多型部位が報告されているが、今回PPP患者においてTNFa(N=62)およびTNFd(N=78)の2つの多型について検討した。検討対象として、PPP患者を扁桃誘発試験陽性群および陰性群に分けて検討した。TNFaには14のalleleがあるが、扁桃誘発試験陽性群および陰性群ではいずれの多型も対照群(N=247)と比較して有意差がみられなかった。一方TNFdには7つのalleleがあるが、扁桃誘発試験陰性群ではTNFd4の頻度が対照群と比較して有意に低く(p<0.0014)、d7の頻度が有意に高い(P<0.02)ことが明らかとなった。陰性群はTNFB2およびTNFA/Aの頻度が有意に高いことから、TNFA/A-TNFB2-TNFd7というハプロタイプが保存されており、PPPの疾患感受性に関与している可能性が示唆された。 IL-1は炎症性サイトカインであるが、IL-1産生系に関与しているIL-1 receptor antagonist(IL-1 RA)にも5つの多型が存在する。PPP患者において検討したところ、2つの多型が検出されたが、対照群との間には有意な差が見られなかった。
|