研究課題/領域番号 |
12671700
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
眼科学
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研究機関 | 信州大学 |
研究代表者 |
小紫 裕介 信州大学, 医学部・附属病院, 講師 (90303479)
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研究分担者 |
栗本 康夫 信州大学, 医学部, 講師 (50293519)
渋木 宏人 信州大学, 医学部, 助手 (70313864)
吉村 長久 信州大学, 医学部, 教授 (70211662)
秋元 正行 信州大学, 医学部, 助手 (90303453)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2001
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キーワード | 5-FU / 5-FC / シトシンデアミナーゼ / アデノウイルスベクター / 遺伝子治療 / 濾過手術 / 緑内障 |
研究概要 |
アデノウイルスベクターを用いることにより、緑内障の濾過手術後に用いる5-FUの新しいドラッグデリバリーシステムの可能性を検討した。 (1)シトシンデアミナーゼ酵素・ウリジンホスホリラーゼ酵素を発現するアデノウイルスベクターを作製・濃縮した。 (2)ヒト結膜下線維芽細胞を培養しin vitroにおける5-FC、5-FUの細胞増殖抑制効果、またアデノウイルス単独投与による効果を薬剤またはウイルス濃度を変えて至適量を検討した。5-FCはヒト結膜下線維芽細胞増殖に影響を与えなかったが、5-FUは濃度依存性に細胞増殖を阻害した。 (3)シトシンデアミナーゼ酵素・ウリジンホスホリラーゼ酵素の遺伝子を導入し、かつ5-FCを投与した場合のヒト結膜下線維芽細胞増殖抑制効果を培養9日目まで検討した。5-FC単独投与では、細胞増殖抑制効果を示さなかったが、アデノウイルスによるシトシンデアミナーゼ酵素の過剰発現によって5-FU単独投与と同等の細胞増殖抑制効果が濃度依存性に示された。 (4)過剰投与後の薬剤除去による細胞増殖能の回復が見られるかどうかを検討した。5-FC、アデノウイルスによるシトシンデアミナーゼ酵素強制発現を行い、処置後、3日目、6日目、9日目に5-FCを除去して、その後の細胞増殖を15日目まで検討した。最初の処置後、細胞増殖は抑制されたが、薬剤除去後、細胞増殖能は数日間の休止期の後、回復した。 (5)マウス結膜下にβガラクトシダーゼ単独もしくは、βガラクトシダーゼとシトシンデアミナーゼを遺伝子導入したヒト結膜下線維芽細胞を移植し、点眼にて5-FCを投与して、線維芽細胞増殖能を検討した。その程度をX-galによる青色染色の程度で評価した。シトシンデアミナーゼ遺伝子導入結膜下線維芽細胞に対して、5-FCを点眼投与した場合、青色染色細胞は、処置後10日目に完全消失した。しかし、5-FC単独投与、シトシンデアミナーゼ遺伝子導入のみの場合は、処置後10日目においても、青色染色細胞が観察された。
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