平成12年度は、過去に得られたMRI画像を検討して、適切な撮像条件を決定した。その結果、MRIより短時間に撮影でき、さらに0.5mm間隔で撮影できるCTがシネモード撮影に、より敵していると判断した。ただし、幼少児では睡眠状態で撮像するために時間がかかること、放射線被曝の問題などで両親の同意を得られにくいことから、これまで通りMRIで行うことにした。CTに関しては、得られた画像を三次元に再構成する方法について現在検討中である。網膜硝子体手術の進歩により、360度網膜切開中心窩移動術が血管新生黄斑症に対して、おこなわれるようになった。それらの患者は術後に回旋複視を強く訴えることが多い。そこで、それらの症例に斜視手術を行い、眼球を反対方向に回旋させることで回旋複視の消失を得ることに成功している。これらの症例は眼球を支える外眼筋の位置変化をみるために大変適した症例と思われる。術前、術後にMRIあるいはCTを撮影することによって、眼球が大きく回旋したあとの外眼筋の位置の変化をとらえる試みを始めている。来年度は以上のデータを解析し、報告する予定である。
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