研究概要 |
RAD51Bのコンディショナルノックアウトマウスを作製するためターゲッティングベクターをES細胞(胚性幹細胞)にトランスフェクトした。相同組み換えを起こしたクローンを選択したが相同組み換えの効率が悪く、この方法は一旦中止した。 ヒト体細胞に対するRAD51Bのノックアウトを行うことによりRAD51Bの機能を検討することにした。また、この際同時にRAD51 Epistasis family (RAD51B, RAD51C, RAD51D, XRCC2, XRCC3)のうち、そのノックアウトマウスで神経系のアポトーシスが報告されたXRCC2についても、同様の手技でノックアウト細胞を作製することにした。使用する細胞は、ヒト網膜色素上皮細胞、ヒト大腸癌細胞(HCT116)の2つである。ヒト網膜色素上皮細胞については、ターゲッティングベクターのトランスフェクションの効率が悪く、エレクトロポレーション、リポフェクション等を種々の条件で行ったが、相同組み換えが行えなかった。HCT116については、XRCC2へテロノックアウト細胞を得ることができた。XRCC2の相同組み換えの効率をRAD54Bノックアウト細胞において検討した。現在、ホモノックアウト細胞作製のためのトランスフェクションと解析を進行中である。RAD51Bについてもトランスフェクションを行ったが、相同組み換えの効率が悪く、ターゲッティングベクターを再作中である。 ヒト大腸癌細胞(HCT116)において、RAD54Bの存在の有無によりXRCC2ターゲッティングベクターの相同組み換えの効率が変化することを報告した。
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