研究課題/領域番号 |
12671721
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
眼科学
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研究機関 | 埼玉医科大学 |
研究代表者 |
米谷 新 埼玉医科大学, 医学部, 教授 (40143234)
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研究分担者 |
斉藤 民也 埼玉医科大学, 医学部, 助手 (20205660)
伊藤 洋子 埼玉医科大学, 医学部, 助手 (30322423)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2001
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キーワード | フーリエ変換分光法 / 酸素飽和度 / 網膜 / 網膜中心静脈閉塞症 / 原発性広隅角緑内障 / 正常眼圧緑内障 |
研究概要 |
循環障害の臨床モデルとして網膜中心静脈閉塞症を使い、蛍光眼底造影法と同時に、我々の開発中の装置で眼底の酸素飽和度を行った結果、本法が様々な循環障害の程度を鋭敏に、そして定量的に測定可能でることを確認した。さらに、網膜静脈分枝閉塞症に本法を応用し、解析を行ったところ、黄斑部を中心とした眼底局所の循環動態の変化を詳細に観察することが出来た。蛍光眼底造影法で観察される変化部位より、より広い範囲での循環障害の存在が明らかにされた。 緑内障眼での検索は、正常眼圧緑内障(NTG)および原発性広隅角緑内障(POAG)および年齢対応の健常対照者における、視神経乳頭周囲での酸素飽和度について測定し、比較検討した。その結果、NTGでは、健常眼に比べ、その酸素飽和度は有意に低くなっていた。しかし、POAGでは乳頭周囲の酸素飽和度は一定の方向性を示さず、個体差が大きかった。この事実は、NTGの発症と進行には、循環障害が大きく関与しているが、いっぽうPOAGの発症、進行は必ずしも循環障害だけでなく、他の要因が関与していることを示唆しているものと考えた。 以上の臨床研究を行う一方で、健常眼での測定を行った。すでに30例以上の健常眼で測定を試みている。この経験を通して、本法の問題点も明かとなってきている。つまり、健常眼では、黄斑の感度が良好なため、測定光が眩しく感じられ、固視不良となることである。そのため、健常眼では、良質な結果を安定して得ることが難しかった。装置の測定精度を改善するためには測定光を減量する等の改良が必要である。このような改善点はあるものの、本法が眼底病変の病理を新しい側面から解析する、有用な検査法であることが確認された。
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