研究課題/領域番号 |
12671728
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研究機関 | 関西医科大学 |
研究代表者 |
螺良 愛郎 関西医科大学, 医学部, 教授 (90098137)
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研究分担者 |
芳賀 敏実 奈良県立医科大学, 医学部, 講師 (20192263)
三木 弘彦 関西医科大学, 医学部, 助教授 (30077771)
四方 伸明 関西医科大学, 医学部, 助教授 (00121939)
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キーワード | Retinitis pigmentosa / N-methyl-N-nitrosourea / Apoptosis / Photoreceptor cell / Retinal degeneration / Bcl-2 / Caspase / Caspase inhibitor |
研究概要 |
1.実験モデルの作製と検索事項 50日齢雌Sprague-Dawleyラットに60mg/kg N-methyl-N-nitrosourea(MNU)を単回腹腔内投与し、投与後Caspase-3阻害剤(4000ng Ac-DEVD-CHO)を各の0時間と10時間に硝子体内に注入した群(I群)と非注入群(II群)ならびにMNU非投与群(III群)を作製した。MNU投与後24時間にて屠殺した動物につきTUNEL法により視細胞のアポトーシスの比率を比較し、7日後に屠殺したものについては網膜厚ならびに網膜障害率(視細胞層が4層以下の障害網膜長/全網膜長×100)を形態形測により比較した。 2.MNU投与後24時間の網膜変化 TUNEL法によるアポトーシス指数は、II群の網膜辺緑と後極部で各の79.5%と83.7%であったが、I群では各の59.7%と71.8%にとどまっていた。なおIII群では各の0.5と0.4であった。 3.MNU投与後7日目の網膜変化 総網膜厚はIII群の網膜辺緑と後極部で各の86μmと131μmであったが、I群では各の71μmと77μmであるのに対し、II群では38μmと75μmであった。また、視細胞厚に限ると、III群では各の45μmと64μmであったが、I群では各の31μmと9μmであるのに対し、II群ではともに2μmであった。また、網膜障害率はII群が98.5%であったのに対し、I群では54.4%にとどまった。 4.Caspase-3阻害剤による視細胞アポトーシスの軽減と病変の抑制 網膜変性はCaspase-3阻害剤により抑制をみたが、特に網膜辺緑部での病変の抑制は後極部に比して顕著であった。MNU網膜変性症は後極部より始まり辺緑部に及ぶことから、Caspase-3阻害剤の作用は網膜変性の遅延とも考えられる。今回、網膜変性の抑制は完全ではなかったことより、視細胞アポトーシスにはCaspase-3を介する経路以外の関与も考えられた。
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