| 研究概要 |
平成13年度の研究目標は、昨年度、子宮内手術を施行後に採取したマウス胎児皮膚の創傷治癒における、MMP,TIMP,および胎児性フィブロネクチンの発現を検討することであった。
子宮内手術後、第1、3、5日目に皮膚を採取して、凍結保存した皮膚をOCT compoundに包埋して、3μmの厚さの切片を作製して、免疫組織化学染色を施行した。抗体には、MT1-MMP,MMP-3,TIMP-1,TIMP-2を使用した。
各採取皮膚における免疫組織染色の陽性率は、以下の通りであった。 妊娠16日胎児手術(MT1-MMP 9/10、MMP-3 9/10、TIMP-1 8/10 TIMP-2 7/10) 妊娠18日胎児手術(MT1-MMP 6/10、MMP-3 7/10、TIMP-1 3/10 TIMP-2 7/10) 妊娠20日胎児手術(MT1-MMP 3/10、MMP-3 9/10、TIMP-1 6/10 TIMP-2 3/10) 新生マウス手術(MT1-MMP 3/10、MMP-3 9/10、TIMP-1 5/10 TIMP-2 7/10) 生後4週マウス手術(MT1-MMP 3/10、MMP-3 9/10、TIMP-1 7/10 TIMP-2 7/10)
MT1-MMPは、成長に伴い減少することが確認された。また、他の蛋白の発現には明らかな変化は認められなかった。
本研究は創傷治癒の過程は、発育段階において一様ではなく、各発達段階において違いがあることを示した。
【研究発表】これまでの研究結果は平成14年6月に行われる日本小児外科学会総会において発表予定である。また、journal of pediatric surgeryに投稿予定である。
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