骨形成タンパク(BMP)による異所性骨誘導と骨髄誘導に関する実験的検討

2001 年度 実績報告書

• 研究課題/領域番号: 12671757
• 研究機関: 関西医科大学
• 研究代表者: 楠本 健司 関西医科大学, 医学部, 助教授 (20161630)
• 研究分担者: 秋岡 二郎 関西医科大学, 医学部, 助手 (20288799) ; 小川 豊 関西医科大学, 医学部, 教授 (70026912)
• キーワード: 骨形成タンパク / 骨誘導 / 骨髄 / 骨 / Tissue Engineering / 骨形成 / 血管新生 / 骨再建

研究概要

in vivo実験:前年度からのrhBMP-2を各種用量で骨誘導の検討行った。ラット筋肉内で、1μgでも有意に骨誘導を行うことが確認できる。一方、5μgの用量で誘導骨量の差が出やすいことが明らかとなった。
以上より、薬剤や種々の条件による誘導骨への影響を検討するには、5μg用量を設定する方向とした。
rhBMP-2のラット筋肉内投与、骨欠損部投与により、骨誘導、骨新生を生じ、これらを生化学的、放射線的、組織学的に検討した。また、筋弁内における検討も行った。
骨梁の用量依存性と骨髄形成を認めた。
骨髄内には、新生血管を認め、造影にても血管内に造影剤が含まれることを確認した。
1)低血流条件での骨誘導(2001):大腿動脈結紮後、下腿筋肉内で骨誘導を検討した。血流量に依存性に誘導骨が得られることが明らかとなった。
2)骨誘導過程でのBMP-2発現(2001):rhBMP-2による骨の誘導過程でもBMP-2が生じるが、埋入後21日ではかなり低値となっていることが明らかとなった。
3)サルでの検討(in press):世界レベルで中型のサルで初めて純粋なBMP-2による骨誘導を示した。用量的に多量を必要とするため、Scaffoldを必要とすることを提言した。
4)血管造影所見(in press):骨誘導に伴う骨の周囲の血管増生が認められ、骨髄内にも血管が増生した。これらを軟レ線と組織像で認められた。
以上を英文論文発表した。

研究成果

• [文献書誌] Fujimura K, Bessho K, Kusumoto K, Konishi Y, Ogawa Y, Iizuka T: "Experimental osteoinduction by recombinant human bone morphogenetic protein 2 in tissue with low blood flow ; a study in rats"Brit J Oral Maxillofac Surg. 39. 294-300 (2001)
• [文献書誌] Okubo Y, Bessho K, Fujimura K, Kusumoto K, Ogawa Y, Iizuka T: "Expression of bone morphogenetic protein in the course of osteoinduction by recombinant human bone morphogenetic protein-2"Clin Oral Impl Res. 13. 80-85 (2001)
• [文献書誌] Kusumoto K, Bessho K, Fujimura K, Akioka J, Okubo Y, Iizuka T, Ogawa Y: "Osteoinduction by recombinant human BMP-2 in muscles of non-human primates"J Int Med Res. (In press).
• [文献書誌] Akioka J, Kusumoto K, Bessho K, Sonobe J, Kaihara S, Wang Y, Iizuka T, Ogawa Y: "Angioneogenesis around induced bone with recombinant human bone morphogenetic protein-2 in a latissimus dorsi muscle flap"J Musculoskelet Res. (In press).
• [文献書誌] Kusumoto K, Bessho K: "Heterotopic osteoinduction by bone morphogenetic protein (BMP) ; the basic aspects to the application to tissue engineering"Current Topics in Biochemical Research (Barber J.et al.eds), Research Trends, Trivandrum. 14 (2000)