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2001 年度 実績報告書

新規転写調節遺伝子OASISの歯胚発生過程での発現と機能の解析

研究課題

研究課題/領域番号 12671767
研究機関大阪大学

研究代表者

加藤 穣慈  大阪大学, 大学院・歯学研究科, 助手 (90243245)

研究分担者 小郷 秀司  大阪大学, 大学院・歯学研究科, 助手 (00332750)
岩本 容泰  大阪大学, 大学院・歯学研究科, 講師 (30223431)
キーワード歯胚 / 発生 / 遺伝子 / OASIS / in situ / ハイブリダイゼーション / RNA / 歯
研究概要

前年続き、胎生12日のマウス胚より、RT-PCR法を用いてOASIS遺伝子を単離し、pGEM-T Easyベクタに組み込み、アンチセンスRNAプローブおよびセンスRNAプローブを次の通り用いた。胎生12日以降のICRマウス胎仔を摘出し、その頭部を4%パラホルムアルデヒドにて浸漬固定した。通法に従い10μmのパラフィン薄切切片とし、プレパラートに貼付し、ディゴキシゲニンにてラベルされたプローブにより、ハイブリダイゼーション反応を行い、OASIS遺伝子の発現と消長をさらに検索した。なお、センスプローブも前年同様対照実験に用いた。各々のプローブについて、電気泳動によりその分子量を調べ、正しいプローブであることを確認した。
胎生12-16日以降のICRマウスの歯胚について、歯胚の発生段階に応じて比較検討した。胎生12日歯胚では、上皮である歯提や、その周囲の間葉には陽性反応を認めなかった。さらに発生の進んだ胎生14日歯胚では、蕾状期の臼歯および切歯の上皮組織である歯提に、ディゴキシゲニン陽性反応が認められ始めた。さらに、胎生16日での帽状期歯胚では、臼歯と切歯歯胚にOASIS遺伝子発現の差が認められ、まず臼歯歯胚では内エナメル上皮に、切歯歯胚では上皮であるアピカルループおよび間葉である前象牙芽細胞にディゴキシゲニン陽性反応が認められた。次いで、胎生18日の前期鐘状期歯胚においても臼歯と切歯歯胚にOASIS遺伝子発現の差が認められた。胎生18日の臼歯歯胚では内エナメル上皮特に咬頭付近の内エナメル上皮と、咬頭頂直下の前象牙芽細胞に、切歯歯胚ではアピカルループおよび前象牙芽細胞にディゴキシゲニン陽性反応が認められた。
本年度は、前年までに明らかになった内容にくわえて、OASIS遺伝子は歯の発生段階に応じて、部位及び時期特異的に発現することがさらに明らかとなった。OASIS遺伝子が歯胚の発生過程に特異的時期に特異的部位に発現していることより、この遺伝子は歯胚発生に必須な因子であり、歯胚の形態形成に重要な役割を果たしている可能性が明らかになった。

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] 阿部真土, 加藤穣慈 他: "マウス下顎におけるdHLH型転写因子dHANDの発現と切歯歯胚発生におけるその役割"大阪大学歯学会総会. (2001)

  • [文献書誌] 阿部真土 他: "マウスdHANDの下顎での発現と切歯発生におけるその役割"第43回歯科基礎医学会総会. (2001)

  • [文献書誌] J.Kato et al.: "Gene expression in the trigeminal and cervical dorsal root ganglia after experimental inflammation of the rat temporomandibular joint"Orthodontic Waves. (in press). (2002)

  • [文献書誌] J.Kato et al.: "Expression of OASIS gene in developing mouse tooth germs"Archives of Oral Biology. (in Press). (2002)

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公開日: 2003-04-03   更新日: 2016-04-21  

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