研究概要 |
SV40ラージT抗原トランスジェニックマウスの歯肉上皮由来の細胞株2林を樹立し、Gingival epithelium(GE)-1,GE-6細胞と命名した(原著論文はin press中)。GE1とGE6細胞は継代せずに比較的長期間培養することで、重層扁平上皮としての三次元構造を形成する。この際、基底層から上層にむかうケラチノサイトしての細胞分化を示すことを、電子顕微鏡学的所見およびケラチン蛋白の免疫組織染色などで明らかにした。その後、この三次元構造を構築しているGE1とGE6細胞の細胞間にE-カドヘリン、βカテニン、デスモゾーム構成分子であるデスモグレイン、デスモプラキンなどが発現していることを明らかした。これらの分子の発現は上層の細胞の細胞間により顕著にみられた。これらの分子の発現がレチノイン酸処理(1μM、2日以上1週間の比較的長期)によって差異があるかどうかについては免疫組織学的結果では明らかにできなかった。この点を明らかにするための検索方法を考慮中である。電子顕微鏡による観察結果では、同様のレチノイン酸処理で細胞間に形成されるデスモゾーム数の減少しているように思われた。また、デッシュ面との間に形成されていたヘミデスモゾームがレチノイン酸処理を行うと観察されなくなった。現在、これらの所見を形態計測することを試みている。これらの結果を、2001年6月幕張(千葉)で開かれるInternational Association for Dental Researchの学会で発表予定である。 切歯先端部歯髄組織からの歯髄細胞株はBMP抗体を用いた免疫染色の結果、BMP-2,-4,-に陽性で、BMP-5に陰性であることがわかった段階である。
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