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2000 年度 実績報告書

骨折治癒過程におけるTGF-βスーパーファミリー・レセプターの遺伝子発現

研究課題

研究課題/領域番号 12671784
研究機関日本大学

研究代表者

石井 輝彦  日本大学, 歯学部, 助手 (40267092)

研究分担者 堀 稔  日本大学, 歯学部, 講師 (60096899)
稲毛 稔彦  日本大学, 歯学部, 助教授 (90096769)
キーワードTGF-β super family / BMP / ISH / 遺伝子発現 / 骨折治癒過程
研究概要

骨組織の再生過程におけるBMPの機能を解明することを目的として,ラットの下顎角部に骨折を形成し,骨折後のreceptorの免疫組織学的検索および遺伝子発現を検索し以下の結果を得た。
BMPR-IAのsignalは,骨折後1日目では凝血組織周囲の結合組織のfibroblast-like cellおよび筋組織の結合組織細胞に観察され,このsignalは骨折後2日目ではより強かった。骨折後3日目では線維化が開始され,線維芽細胞の免疫反応は最も強かった。骨折後4日目以後では,軟骨形成とともに軟骨芽細胞,増殖期および休止期軟骨細胞に認められたが,肥大期軟骨細胞にはsignalは認められなかった。また骨吸収部では破骨細胞にも強い発現が観察された。骨折後7〜14日目では骨形成が盛んに行われ,骨芽細胞は強い免疫反応性を示したが,ほぼ骨性治癒が得られた骨折後21日目以後では,細胞成分にほとんどsignalは認められなかった。
BMPR-IBを用いた遺伝子発現はBMPR-IAとほぼ同様の発現を示したが,骨折後3日目まではBMPR-IBを用いた遺伝子発現は-IAによるsignalよりも弱く,骨形成期,軟骨形成期に一致して-IBのsignalが強く認められた。
また,免疫組織化学をもちいた検索でもほぼ同様の結果を得た。
以上のことから,BMPは骨折治癒過程においてreceptorを介し,骨芽細胞や軟骨細胞の初期分化を促進するのみならず,破骨細胞を刺激して,骨吸収においても重要な役割を果たすものと考えられた。

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公開日: 2002-04-03   更新日: 2016-04-21  

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