研究課題/領域番号 |
12671785
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
形態系基礎歯科学
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研究機関 | 日本大学 |
研究代表者 |
磯川 桂太郎 日本大学, 歯学部, 講師 (50168283)
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研究分担者 |
瀬島 仁美 日本大学, 歯学部, 助手 (50287661)
清水 治 日本大学, 歯学部, 助手 (40260971)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2002
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キーワード | fibrillin / microfibril / elastic fiber / oxytalan fiber / extracellular matrix / morphogenesis / limb bud / chick embryo |
研究概要 |
軟骨膜の細胞外基質分子を免疫原とするFB1モノクローナル抗体の抗原は、免疫学および免疫組織化学的な検索の結果、JB3抗原であるchicken fibrillin-2と同一分子であることが示された。fibrillinの免疫反応性は、発生初期のステージ3までに、原始線条やHensen結節における細胞外線維性に出現し、鶏胚や鶉胚でのその後の発生過程におけるfibrillinの時間的・空間的な分布パターンの推移は、collagenやfibronectin等の既知の線維性細胞外基質とは明らかに異るものであった。fibrillin陽性線維は、電顕的に12-14nmのmicrofibrilsの束であり、哺乳類弾性線維でelastinに付随するmicrofibrilと形態的に酷似していた。実際、発生中の大動脈や肺組織では、fibrillin陽性のmicrofibril束にelastinの沈着が確認された。しかし、他の胚性組織の多くでは、少なくとも孵化前までの検索で、無定形elastinの出現をみないfibrillin陽性のmicrofibrilが存在し、これらはユニークな独自の線維ネットワークを構成していた。Foot-bindingと免疫組織化学を併用した実験的な検討の結果、外胚葉基底膜と連絡する真皮のfibrillin線維は、肢芽の伸長や腋窩の形成過程で、外胚葉細胞層を間充織に確実に"tack"する役割を帯びていることが示された。発生中の砂嚢におけるmirofibrillarなネットワークは、砂嚢の平滑筋細胞束を個々に包み込む3次元的な揺りかご状の網状構造をなし、筋細胞収縮の作用を合理的に組織化する働きがあると考えられた。心臓では、2種類のfibrillin陽性基質が認められた。内彎部の太い線維束は心臓を体幹からサスペンドする走行を示し、心内膜床では網状のfibrillin陽性線維ネットワークが存在していた。fibrillinはlatent型TGF-β結合タンパクと構造的な相同性を有することから、心内膜床のfibrillin線維ネットワークは、内部の間葉細胞に対して作用するTGF-β3等の細胞外の可溶性因子の捕捉・放出による活性制御を担っている可能性が示唆された。
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