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2002 年度 実績報告書

膜融合調節装置としての頂端側形質膜ホスホリパーゼDの存在意義

研究課題

研究課題/領域番号 12671820
研究機関朝日大学

研究代表者

藤田 厚  朝日大学, 歯学部, 教授 (60067098)

研究分担者 神谷 真子  朝日大学, 歯学部, 助手 (80181907)
八代 耕児  朝日大学, 歯学部, 講師 (50182316)
亀山 泰永  朝日大学, 歯学部, 助教授 (50161245)
キーワード頂端側形質膜 / ホスホリパーゼD / ホスホリパーゼA_2 / イノシトールリン脂質 / 遊離脂肪酸 / 膜融合
研究概要

頂端側形質膜PLDはホスファチジルイノシトール-4,5-二リン酸(PIP_2)によって活性化されるが,これとは別に,脂肪酸によっても濃度依存的な活性上昇が観察された.その活性化率は脂肪酸の分子種に依存しておりオレイン酸が強い活性化作用を発揮した.さらにPIP_2がオレイン酸と共存すると相乗的な活性化効果が得られた.PIP_2と特異的に結合するネオマイシンは,このPLD活性を用量依存的に抑制した.頂端側形質膜にはPIP_2の生成系としてホスファチジルイノシトール4-キナーゼおよびホスファチジルイノシトール一リン酸キナーゼが存在し,脂肪酸の生成系として不飽和脂肪酸鎖選択性のホスホリパーゼA_2の存在が明らかになっている.これらの酵素がPLD活性化系として機能することで,in vivoにおいてもPLDの充分な活性発現が期待できる.一方,耳下腺単離分泌顆粒とモデル膜からなるin vitro膜融合系を用いた解析では,PLDの反応産物であるホスファチジン酸のモデル膜への直接添加,あるいはモデル膜のPLD(キャベツ由来)処理による膜融合能の亢進が確認できた.現時点ではin vivo開口分泌において,頂端側形質膜PLDが同様の機能を担う可能性については充分検討できていないが,最近道家らによって,耳下腺分散細胞からのアミラーゼ分泌がネオマイシンによって部分抑制されるという報告がなされた[BBRC,299,699(2002)].頂端側形質膜PLDもネオマイシン感受性であるので,本剤の分泌抑制効果は,頂端側形質膜PLDのin vivo開口分泌への関与を示す一傍証であると考える.今後は,分散細胞系を用いて分泌刺激時におけるPLD活性変動およびその活性調節因子の動態の解明をおこなうとともに,開口分泌との相関を検討し,本酵素のin vivoにおける機能解明を進める予定である.

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公開日: 2004-04-07   更新日: 2016-04-21  

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