研究概要 |
1)マウス骨芽細胞MC3T3-E1を炎症性サイトカイン(IL-1β,TNF-α,IFN-γ)で処理することは、強い細胞増殖抑制およびアポトーシス細胞死を示し、同時NOを産生することを確認した。これらの反応がp38MAP kinase inhibitor SB203580により抑制されたことからサイトカイン誘導apoptosisはp38MAP kinaseの活性化を介して起こることが示唆された(投稿準備中)。2)炎症性サイトカイン処理によりFas mRNAならびにproteinが産生誘導を確認した。Fas Ligandの添加はサイトカイン誘導アポトーシスをさらに亢進させたことから骨芽細胞におけるサイトカイン誘導アポトーシスはFas/Fas Ligandによるautocrine death systemの活性化を介して起こることが示唆された(Ozeki, et al.(2002).Archives of Oral Biology47,511-517)。3)骨芽細胞由来TNFα受容体ファミリーのosteoprotegerin(OPG)は破骨細胞の分化、増殖、活性化ならびにアポトーシスの調節因子として重要な生理的役割を担っており、厳密な産生制御にて正常な骨代謝が営まれている。骨芽細胞におけるOPGの産生機序の解明、ならびに骨破壊疾患である歯周関連疾患の病態ならびに進行との関連性を探求することは、歯周疾患の新たな治療戦略を探る上で急務である。今回、マウスストーマ細胞由来ST-2において、BMP-4によりOPGが産生誘導され、その際、p38MAP kinaseの活性化を伴うことを明示した(Tazoe et al.,Archives of Oral Biology, in press)。4)結果の一部は歯科基礎医学会、薬理学会、生化学会、日本骨代謝学会、IADR(USA)大会および日本歯科保存学会にて発表を行った。
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