研究課題/領域番号 |
12671823
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
病態科学系歯学(含放射線系歯学)
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
安田 元昭 北海道大学, 大学院・歯学研究科, 助教授 (90239765)
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研究分担者 |
進藤 正信 北海道大学, 大学院・歯学研究科, 助教授 (20162802)
東野 史裕 北海道大学, 大学院・歯学研究科, 助手 (50301891)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2001
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キーワード | Apoptosis / Radiation / DNA array |
研究概要 |
放射線照射により惹起される細胞死誘導のメカニズムを解明する目的で以下の検討を行った。 1.ヒト正常細胞およびがん細胞の放射線感受性に関する検討 ヒト正常線維芽細胞MRC5およびがん細胞HL60、MCF7にコバルト60によるガンマ線照射を施し、caspase-8とcaspase-9の活性化についての解析を行った。HL60では両caspaseの著明な活性化が認められたのに対してMRC5ではcaspase-8には活性化がみられず、caspase-9のわずかな活性化が認められた。このようなcaspaseの活性化の程度の差が細胞の放射線感受性に強い相関を示していることが明らかとなった。 2.放射線照射によりヒト正常線維芽細胞の上皮細胞遊走因子放出を活性化する 放射線照射によりMRC5の培養上清中に放出される上皮細胞遊走化因子の絶対量が増加した。Northern Blottingおよび中和抗体を用いた実験によりこの因子の一つがHGF(Hepatocyte growth factor)であることが明らかとなった。 3.遺伝子チップを用いた放射線照射による遺伝子誘導の解析 ヒト正常線維芽細胞MRC5に10Gyのガンマ線照射を行い24時間後の遺伝子発現を対照群と比較した。検索した範囲では著明なBCL-2関連タンパク質の発現上昇は認められなかった。Caspase関連ではCaspase-2、-6、-10の発現レベルがやや上昇していた。これらの結果から上記1.にて予想されたメカニズムは主に翻訳後に活性化されるカスケードにより制御されている可能性が示唆された。またメッセージレベルでアポトーシス抑制性タンパク質の転写量の上昇例も多数認められ、正常細胞の放射線抵抗性の一部はこれらにより説明されると考えられた。
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