低侵襲的血管イメージングの手法であるCT angiograpphyおよびMR angiographyの顎顔面領域における有効利用を目的として、各方法の最適化について検討すると共に、これらの臨床的有用性について評価を行った。 CT angiographyに関して、最適なX線ビーム幅およびテーブル移動速度を明らかにした。最適な造影剤注入速度は2ml/secであり、これを超えても血管描出性の改善は見られなかった。CT angiographyは顎顔面領域の疾患23症例に適用した結果、特に動静脈奇形の症例において、その有用性は高いと考えられた。しかし微細な血管を評価する場合には、その有用性は限定されると考えられた。 MR angiographyについては、Phase Contrast法とTime of Flight法との比較を行った。前者は広範囲の撮像が可能であり、流速の遅い静脈系も描出されるという点において優れていたが、撮像時間の長いことが欠点であった。このため顎顔面領域においては、両者を効果的に併用することがのぞましいと考えられた。MR angiographyを顎顔面領域の疾患15症例に適用した結果、やはり微細な血管を評価する場合には、その有用性は限定されると考えられた。我々はGd-DTPA併用の3D MR angiographyの有用性についても評価を行った。同法により得られた画像は末梢血管の描出に優れており、顎顔面領域における高い有用性が示唆された。
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