研究課題/領域番号 |
12671828
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研究機関 | 高知医科大学 |
研究代表者 |
山本 哲也 高知医科大学, 医学部, 助教授 (00200824)
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研究分担者 |
尾崎 登喜雄 高知医科大学, 医学部, 教授 (70031995)
木村 剛 高知医科大学, 医学部・附属病院, 助手 (10294836)
植田 栄作 高知医科大学, 医学部・附属病院, 講師 (10203431)
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キーワード | Fas / Fas L / チトクロームC / AIF / 活性酸素 / Mn-SOD / ミトコンドリア |
研究概要 |
1. 癌細胞のFas発現とリンパ球による細胞傷害 癌細胞を5-FU、ペプロマイシン、γ線等で処理すると、Fasの発現が上昇し、Fas/Fas Lシステムによるアポトーシスがより強く誘導されることを明らかにした。これと共に、細胞傷害性リンパ球によるアポトーシスの機序について検討し、以下の点を得た。a)アポトーシスの約50%はFas/Fas Lシステムに依るが、残る50%のうち、約20%はGranzyme Bに、30%はミトコンドリアからの放出蛋白に依存していた。b)細胞傷害性リンパ球は標的細胞と混合培養した時、ミトコンドリアからチトクロームC及びAIFの放出を促す蛋白を産生する。c)リンパ球との混合培養により、細胞質、ミトコンドリア両分画内の活栓酸素のレベルが上昇する。d)Fas/Fas Lによるアポトーシスは活性酸素の影響されないが、チトクロームCの放出は影響され、抗酸化剤によりチトクロームCの放出は抑制され、アポトーシスのレベルも低下した。現在、チトクロームC及びAIF放出促進因し(蛋白)の同定を行っている。 2. 癌細胞の活性酸素消去能 カタラーゼ及びCu、Zn-SOD活性には、各癌細胞間に大差はないものの、Mn-SOD及びグルタチオンペルオキシダーゼ活性には差が認められた。癌細胞内活性酸素のレベルとアポトーシスとは相関することより、SOD活性を減弱し、抗癌剤及び放射線によるアポトーシス誘導を増強する目的でMn-SOD antisenseを株化癌細胞に取り込み、検討したところ、in vivo、in vitro双方において、アポトーシスの増強が示された。 3. リンパ節内リンパ球の細胞傷害能 リンパ節内から得たリンパ球の非特異的細胞傷害能は末梢血のリンパ球に比べ非常に低く、特に転移リンパ節内リンパ球の細胞傷害能は低値であった。現在、Fas及びFas Lの発現さらには、細胞傷害能の亢進方法を検討中である。
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