研究課題
本研究の初年度(12年度)の成果は以下の通りである。1.口腔癌の頸部後発転移モデルの作成VX2癌細胞を白色家ウサギの顎下腺または口腔底に移植後、どの時点で原発巣部の摘出を行えば、原発巣部の摘出時点では超音波画像上は頸部リンパ節転移の所見を見いだせ得ず、かつその後頸部後発転移が生じるかの実験を行った。その結果、原発巣部の摘出は癌細胞移植後の約2週間であると考えられた。但し、超音波画像の読影法の検討および原発巣部の残存腫瘍細胞の有無についてさらなる詳細な検討が必要である。また、VX2癌細胞を顎下腺、口腔底のどちらに移植した場合が効率よく本モデルを作成しうるかの検討が今後とも必要であると考えられた。2.白色家ウサギの頸部に対する温熱療法の予備実験予備実験には、寒天にて作成されたファントム(白色家ウサギの頸部を想定した厚さや長さにして作成)を用いた。本予備実験の目的は、白色家ウサギの頸部の温熱療法に際しての加温の条件や深部の加温状態の把握法の確立であった。その結果、白色家ウサギの頸部の加熱法や超音波ガイド下による温度計の刺入法についての基礎データを得ることができた。3.白色家ウサギの頸部の固定装置の作成白色家ウサギの頸部に対する温熱療法を行う際は、麻酔下での長時間の固定が必要なため、専用の固定器具の作成が必要である。そこで、安全かつ効率よく温熱療法を行うための白色家ウサギの頸部専用の固定器具の設計および作成を行った。