研究課題
1.口腔癌の頸部リンパ節後発転移モデルの作成結果VX2癌細胞を移植し頸部リンパ節転移を誘発する際に、効率よく頸部リンパ節転移を誘発することのできるVX2癌細胞の移植部位(口底部か顎下腺か)について、前年度より引き続き検討を行った。その結果として、口底部へ移植を行った場合がより効率よく頸部リンパ節転移を誘発できるとの結論を得た。また、超音波断層法による白色家ウサギの頸部転移リンパ節の検出に関する診断基準の確立を行った。2.白色家ウサギの頸部に対する温熱療法の手技に関する結果寒天ファントムを用いた前年度の予備実験で得た加温に関するデータおよび前年度設計・作成した白色家うさぎ専用の加温時の固定器具を用いて、白色家ウサギの頸部の加温を行った。しかし、加温時間が数十分に及ぶため、前年度に作成した専用の固定器具を用いても固定が不十分であり、固定器具の改良が必要であった。種々の検討の結果、白色家ウサギ頸部に対して温熱療法を行う手技を見いだした。3.頸部リンパ節転移に対する温熱療法の成果頸部リンパ節転移に対する温熱療法の効果について検討を行った。温熱療法の効果は転移リンパ節の大きさに左右されるものであり、転移リンパ節のサイズが大きい場合は温熱療法の効果には制限があった。しかし、本結果は、微少リンパ節転移巣に対しては温熱療法の効果が期待されるものであり、本研究の目的である頸部リンパ節後発転移に対する温熱療法の予防効果を示唆するものであった。