1.5mm間隔のワイーヤーメッシュを自製の固定器具上に30度の角度を付けて設置した。 2.このワイーヤーメッシュを固定器具の位置を変化させる方法により、異なる移動方向すなわち、水平、垂直、円周上に位置した6カ所の照射位置からCDRを用いて撮影し、CDR画像を得た。 3.2で得られたCDR画像をもとにTACTを構築した。 4.その結果、ワイヤーメッシュに水平な一連の焦点位置から照射し得られたCDR画像により構築したTACT画像は、どのスライスでも照射方向に水平なワイヤーにボケが生じなかった。 5.ワイヤーメッシュに垂直な位置および円周上の焦点位置から照射し得られたCDR画像により構築したTACT画像は、特定のスライス画像上でワイヤー像が明瞭となり、他のスライス面では像にボケが生じた。 6.結論として、ワイヤーのような形状の被写体に対して水平方向に焦点を移動してTACTを構築するよりも、垂直方向または円周上に位置する一連の焦点位置から照射し得られた画像から、TACTは構築した方が良好なスライス画像を得ることができた。 7.さらに実際の被写体は垂直方向および水平方向の成分が複合されたものと考えられることから、円周上の焦点から照射し得られた画像からTACTは構築されるのが最も望ましいと考えられた。 8.次の段階として埋伏歯に対するTACTの応用について検討した。 9.その結果上顎ではセンサーの位置付けが改良二等分法となるため、TACT画像の読影に問題が生じた。 10.また、デンタルサイズのCCDセンサーではTACT画像が構築される範囲が狭いため読影に支障が生じる可能性が示唆された。
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