研究課題/領域番号 |
12671848
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
中島 正俊 東京医科歯科大学, 歯学部附属病院, 講師 (50272604)
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研究分担者 |
緒方 美和子 東京医科歯科大学, 歯学部附属病院, 助手 (60302882)
島田 康史 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助手 (60282761)
二階堂 徹 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 講師 (00251538)
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キーワード | 脱灰象牙質 / 硬さ / 再石灰化 / グラスアイオノマーセメント / EPMA |
研究概要 |
細菌感染の有無により脱灰象牙質の生理的再石灰化反応が影響を受けるかどうかについて、サル歯牙を用いin vivoにおいて、グラスアイオノマーセメント充填してから3、90、360日後に窩底部人工脱灰象牙質の微小硬さ測定、および電子線マイクロアナライザー(EPMA>による元素分析(Ca、P、Mg、F)を行うことにより検討した。その結果、3日後の試片の硬さは、360日後に比べ低い値を示した。また、感染させた試片の硬さは、非感染群と比べて低い値を示した。EPMA分析の結果では3日後の試片では人工脱灰象牙質中にグラスアイオノマーセメントから徐放されたと思われるFが検出されたが、Ca, P, Mgはほとんど検出されなかった。360日後の試片においては、人工脱灰象牙質中のCa濃度は、3日後と比べ増加しているものの、散在している程度にすぎなかった。しかしながら、Mgは人工脱灰象牙質直下の健全象牙質と同程度の濃度をしめした。この結果から、脱灰象牙質の細菌感染は、生理的石灰化反応を阻害し、生理的再石灰化にあたりCaよりMgの濃度上昇が先行することが示唆された。
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