研究課題/領域番号 |
12671854
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
阿南 壽 九州大学, 歯学部附属病院, 講師 (80158732)
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研究分担者 |
木村 龍誠 九州大学, 歯学研究院, 助手 (20205008)
濱地 貴文 九州大学, 歯学部附属病院, 講師 (80198811)
前田 勝正 九州大学, 歯学研究院, 教授 (00117243)
松本 明子 九州大学, 歯学部附属病院, 助手 (40346804)
米田 雅裕 九州大学, 歯学研究院, 助手 (10253460)
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キーワード | 根尖病変 / 病巣感染 / P.gingivalis / 混合感染 / IL-1β / 骨吸収 / TGF-β1 / 骨形成 |
研究概要 |
根尖病変は根管内細菌の混合感染から発症、進展する。そのため、病巣感染の原発巣となる可能性が考えられている。一方、歯周炎の主たる病原性細菌であるP.gingivalis(P.g)は細菌性心内膜炎の原因菌である可能性が示唆されており、根管内からも検出されることが報告されている。そこで本研究では、P.gとB.forsythus(B.f)の混合感染による病原性の変化について検討した。また、P.gをラット下顎第一臼歯の遠心根管に留置することにより、根尖病変の成立および病巣感染の発症メカニズムの解析を計った。さらに、ニューキノロン系抗菌剤であるオフロキサシンの根管貼薬により誘導された根尖病変治癒過程における増殖因子発現細胞の動態と骨系細胞の変化について免疫組織化学的に解析した。その結果、P.gとB.fを混合してマウス背側部皮下に接種すると病原性が相乗的に増加した。また、P.gと根管内細菌との混合感染を惹起することにより、心内膜には異常像は認められなかったが、顎下リンパ節および根尖病変は拡大し組織中にはT細胞およびマクロファージの増加が観察され、根尖病変周囲の骨面には破骨細胞の増加、骨吸収の進展が認められた。一方、根尖病変の拡大にはIL-1β発現細胞の増加が密接に関連していることが明らかになった。また、FGF-2は骨形成、骨吸収の両方に関与する一方、TGF-β1は炎症反応の抑制および骨形成の活性化に関与することが示唆された。以上の結果より、歯周病原性細菌であるP.gと根管内細菌との混合感染は病変の増悪化に関与し、領域リンパ節に影響を及ぼす可能性が推測された。また、根尖病変局所におけるTGF-β1発現細胞の増加が消失した骨組織の再生を誘導する可能性が示唆された。
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