研究概要 |
これまで、6自由度運動が再現可能なパラレルメカニズムを利用して、患者の口腔内状況を示す模型を搭載し、これを空間内で自由に動かすことのできる、簡便でコンパクトな顎運動ロボットの開発研究を行ってきた。以下に、これまでの成果を要約する。 1.試作した装置は,伸縮型と開閉型の混合方式であり、ベース平面上で,互いの駆動軸が正三角形をなすように3台の電動スライダ(SPL28T2-60,オリエンタルモーター製)を配置し,開閉リンクとした。さらに各スライダの可動部より,ヒンジジョイントを介して電動シリンダ(CPL28T2-60,同)を立ち上げ,伸縮リンクとした。これら3台の伸縮リンクは,それぞれユニバーサルジョイントを経由して,最終の出力節となるプラットフォームへと連結された。総計6台の駆動装置は,制御の簡便さと精度上の利点を考慮して,すべて5相ステッピングモーターによるすべりねじ駆動方式のものを用いた。 2.このロボットの制御にはパソコン(CPU : Pentium【○!R】,インテル製)を利用しており、使用したOSはWindows 95(マイクロソフト製)およびWindows Meである。6台の駆動装置を制御するため,高機能多軸モーションコントロールボード(PI-ISA8/4,日本電産シンポ製)経由で各モータードライバと連結した。 3.パラレルメカニズムの順運動学を数値解析的に解くために、非線形問題の解法に用いられるNewton-Raphson法の改良型手法を用いて、高速に計算を収束させ解を得ることができた。 4.顎運動測定装置によって得られた,顎の動きに関するデータを入力し、この顎運動情報を再現する咬合器、すなわち咀嚼運動再現機械として作動することを確認した。
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