研究概要 |
6自由度運動が再現可能なパラレルメカニズムを利用して,患者の口腔内状況を示す模型を搭載し,空間内で自由に動かすことのできる簡便でコンパクトな顎運動ロボットの開発研究を行ってきた。以下にこれまでの成果を要約する。 1.試作した装置は,伸縮型と開閉型の混合方式であり,ベース平面上で互いの駆動軸が正三角形をなすように3台の電動スライダ(SPL282T2-60,オリエンタルモーター製)を配置し,開閉リンクとした。さらに各スライダの可動部より,ヒンジジョイントを介して電動シリンダ(CPL28T2-60,同)を立ち上げ,伸縮リンクとした。これら3台の伸縮リンクは,それぞれユニバーサルジョイントを経由して,最終の出力節となるプラットフォームへと連結された。総計6台の駆動装置は,制御の簡便さと精度上の利点を考慮して,すべて5相ステッピングモーターによるすべりねじ駆動方式のものを用いた。 2.パラレルメカニズムの逆運動学から,顎運動測定装置によって得られた顎の動きに関するデータを,ロボットを制御するのに必要なシリンダ及びスライダ量に変換するためのアルゴリズムを確立した。 3.顎運動測定装置から得られたデータと上記のアルゴリズムによって,このロボットを用いて顎運動を再現できることを確認した。
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