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2000 年度 実績報告書

ガラス短繊維粉末を用いた歯科材料の強化に関する研究-高強度歯科用セメントの開発-

研究課題

研究課題/領域番号 12671889
研究機関徳島大学

研究代表者

河野 文昭  徳島大学, 歯学部・附属病院, 講師 (60195120)

研究分担者 久保 吉廣  徳島大学, 歯学部・附属病院, 助教授 (50136686)
岡 謙次  徳島大学, 歯学部, 助手 (40253215)
今 政幸  徳島大学, 歯学部, 助手 (80116813)
キーワードグラスアイオノマーセメント / CPSAガラス繊維 / 曲げ強さ / サーマルサイクル
研究概要

直径10μm,アスペクト比5.0のCaO-P_2O_5-SiO_2-Al_2O_3系(CPSA)ガラス線維粉末を強化材に用いた.セメント粉末には,市販のグラスアイオノマーセメント粉末(松風ハイボンドグラスアイオノマーCX)を基材に用い,これに40wt%のガラス繊維粉末を調合したものを使用した.練和液には市販練和液(松風ハイボンドグラスアイオノマーCX)を用い,通法に従い粉液練和した.練和後,試験片成形型にセメント泥を填入し,2×2×25mmの試験片を作製した.完成した半数の試験片は,37℃蒸留水に24時間浸漬した後,4℃,60℃の恒温水槽中に60秒間ずつ浸漬を繰り返す条件で,0回,2500回,5000回,10000回,20000回の熱サイクルを負荷した.また,残りの半数の試料片を水中浸漬だけの影響を把握するため,37℃温水中で8,15,29日係留した.
その結果,CPSAガラス線維粉末をグラスアイオノマーセメントのに含有することによって,硬化体の強さを向上できることを確認した.また,長期間水中に浸漬した場合,ガラス繊維無添加の試料の曲げ強さは,ほとんど変化が認められなかった.一方,熱サイクルを加えた場合,熱サイクルの回数に関係なく曲げ強さに大きな変化は認められなかった.水中で長期間の浸漬および熱サイクルは,グラスアイオノマーセメントの曲げ強さにほとんど影響を与えず,むしろセメントマトリックスの構造を緊密にするものと推察された.CPSAガラス線維を複合した試料の曲げ強さは,水中に係留した場合また熱サイクルを加えて場合,無添加の試料と同様に変化がなかった.
以上のことから,CPSAガラス線維強化型グラスアイオノマーセメントのガラス繊維粒子とマトリックスの結合は水中での熱サイクルによってほとんど影響を受けず,優れた結合が維持されることが示唆され,熱疲労による強さの低下がないことを明らかになった.

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公開日: 2002-04-03   更新日: 2016-04-21  

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