研究概要 |
平成13年度は下記のように研究を遂行した. 1.製作した機能回復のための補綴装置は口蓋欠損患者については鼻咽喉ファイバースコープによる診査を行うとともに鼻咽腔閉鎖が不完全な場合は顎義歯後縁部あるいはスピーチ・バルブの形態を修正し,嚥下,発音機能の正常化を図った.舌部分欠損患者については粉末法パラトグラムで補綴装置口蓋面の形態を修正した. 2.診療室において形態,形状,大きさを臨床的に決定した補綴装置を装着させた時とさせない時の被験者(患者)の発音,発語をDATレコーダにて録音した.音声解析は診療室で録音されたDATテープを研究室に設置したパーソナルコンピュータを用いて解析を行った.解析したスペクトログラムなどのデータはMOディスクに収録した. 3.経過良好な被験者(患者)の発音,嚥下時の機能検査を行い,画像にて保存できるものはMOディスクに収録し,後日の再生,写真撮影に備えた. 4.本研究をさらに発展させるため舌部分欠損患者のパラトグラムならびに音声解析による評価法に加え,発音・嚥下時に口蓋板に加えられる舌圧を測定し,健常者と比較するつもりである.そのため舌圧を測定する小型圧力センサを購入した.本年は事情により学会発表できなかったが,蓄積したデータに基づき来年以降学会発表を行う予定である. なお,被験者(患者)には研究の趣旨を説明し,同意を受け,また,被験者のプライバシーは厳守した.
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