研究概要 |
某内科病院においてポリソムノグラフィーを用いて睡眠時の状態を観察し,睡眠時無呼吸症候群(SAS)と診断された患者四十数名に対して,スリープスプリント(Thera Snore)を装着した.これらの患者のスプリント装着時における睡眠状態を再度ポリソムノグラフィーを用いて計測し,術前術後の比較検討を行った.傾向としては,いびきの減少,日中の傾眠傾向の減少,睡眠時無呼吸の減少がほとんどの患者で認められており,有用性が示唆されている. また,UCLA Sleep Centerおよび歯学部におけるSASに対する治療の現状と抱えられている問題点を把握するとともに資料収集を含め平成13年2月5日〜2月10日の期間UCLAを訪れ,調査を行った.UCLAでは,Oral Medicine & Orofacial Pain ClinicにおいてSASの歯科的アプローチが行われており,Prof. Glenn Clarkが考案したsleep splintが使用されていた.このsplintはtwo piece typeであり,上下のsplintはHarbst Attachmentによって結合されている.患者は装着時に開閉口,側方,前方運動が可能であり,違和感が非常に少なく,かなり優れたsplintである.また,下顎前方位での装着であるため,顎関節症状との関連性について長期的に経過観察が行われていた.医学部のsleep labでは従来からのCPAPに加えてOPAPと呼ばれているCPAP用マスクのかわりに特製のOral Splintを装着させ経鼻陽圧ではなく経口陽圧による治療の検討が行われていた.
|