研究課題/領域番号 |
12671898
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研究機関 | 北海道医療大学 |
研究代表者 |
越野 寿 北海道医療大学, 歯学部, 講師 (90186669)
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研究分担者 |
横山 雄一 北海道医療大学, 歯学部, 助手 (50295903)
石島 勉 北海道医療大学, 歯学部, 助教授 (60211041)
平井 敏博 北海道医療大学, 歯学部, 教授 (80014273)
服部 真幸 北海道医療大学, 歯学部, 助手 (70316264)
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キーワード | 嚥下障害 / 食塊 / テクスチャー / 超音波診断装置 / 嚥下音 |
研究概要 |
平成12年度 1.嚥下機能評価のための試験食品に関する検討 本学歯学部教職員9名を被験者として、咀嚼試験を行った。この際に、咀嚼させる試験食品としては、当講座で考案した摂取可能食品アンケート表で採用されている35品目の食品群とした。すなわち、被験者に通常一口量の各種食品を自由咀嚼させ、嚥下域に達した時点で形成された食塊を回収した.回収された食塊のテクスチャーを今回購入したレオメータにて解析し、食塊の物性を評価した.なお、咀嚼前の35品目のテクスチャーも合わせて測定した.なお、嚥下機能は、食塊の送り出し時点と嚥下第一音との関係から評価を行う平井らの方法に準じて行った. 咀嚼前の35品目の物性として、硬さ応力は3.7〜63.7Mpa、付着性は7.8〜380.7J/m-3のレンジで分布していた.摂取可能食品アンケート表で提示されている5群の食品群毎に平均値を比較すると、摂取難易度が低いI群からV群に向かって、硬さ応力は増加した.一方、咀嚼後の嚥下域に達した食塊においては、硬さ応力は3.7〜20.3Mpaであった. 平成13年度 良好な経過を辿っている高齢全部床義歯装着者7名を被験者として、通常一口摂取量のピーナッツを試験食品とした咀嚼試験を行い、嚥下域に達した時点で形成された食塊を回収した.回収された食塊のテクスチャーをレオメータにて解析し、食塊の物性を評価した.さらに、ピーナッツ3gを20回咀嚼させ、得られた粉砕片を篩分けし、咀嚼効率を算出するKapurらの方法に準じた咀嚼機能評価を行った。その結果、下顎全部床義歯装着者のピーナッツ咀嚼において、咀嚼回数は正常有歯顎者の約1.5倍であり、咀嚼効率は約2/3であった. 以上の結果から、嚥下域における食塊の物性の分析が咀嚼・嚥下機能評価の客観的な指標の一つとなり、食品のテクスチャーの調整が、咀嚼・嚥下障害の対処となり得ることが示唆された。
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