研究概要 |
目的:調音運動では口腔周囲軟組織の活動が重要であるため,機能回復には,咬合の改善とともに補綴装置による口唇,頬の支持も配慮する必要がある。そのため、顔面皮膚上と切歯点の標点の運動を音声と同時記録し、子音発音前後を含む全運動経路を3次元解析し、比較検討を行った. 方法:1.正常有歯顎者(同意を得た者)の発音連動時の口腔および皮膚上標点と下顎切歯を6台の赤外線高速度カメラ(Video Camera Units nac)で6方向から投影し,同時に音声をマイクから入力し,データステーション(VICON370 Data Station)へビデオデータおよびアナログデータとして収集した。2.収集されたデータは,ワークステーション(PS/V Model 2411)へ転送立体構築し、ビデオデータとしてハードディスクに保存する。録音したデジタルオーディオテープの出力をDSP Sona-Graph500(KAY社製)に導入してリアルタイムの声紋を表示させ、また音声のアナログデータからTime-Waveのグラフを表示し,画面上で各音の子音発音時点を規定した。3.標点をオートトラッキングによって自動追尾し、記録したビデオデータを3次元解析ソフトウエアVICON370(OXFORD METRICS社製)に導入し、計測項目について解析を行った。 結果:顎口腔機能の改善の術前、術後を比較し、顎補綴処置による機能回復の程度を客観的に評価、するため、腫瘍等の術後患者に対する計測項目を設定した。
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