研究概要 |
健常者ならびに顎機能障害者を対象として、咀嚼・嚥下ならびにそれらの想起による脳電位周波数マップをもとに,顎口腔系感覚運動機能と皮質活動とのかかわりを検討した。 1.咀嚼による皮質活動への影響:咀嚼前ならびに咀嚼後と安静時との比較において、咀嚼前の皮質活動により影響が示された。 2.咀嚼時間による皮質活動への影響:咀嚼時間の延長によって皮質活動領域は拡大した。また、脳電位周波数成分に咀嚼時間の影響が示された。 3.食品固さによる皮質活動への影響:食品の固さの増加に応じて皮質活動領域は拡大し、覚醒傾向が示された。 4.嚥下による皮質活動への影響:嚥下により,皮質活動は賦活され、覚醒傾向を示した。 5.咀嚼ならびに嚥下の想起による皮質活動への影響:咀嚼の想起によって皮質賦活は広域に示されたが、一方嚥下の想起では中心部の賦活は示されなかった。 6.顎機能障害者における咀嚼の皮質活動への影響:健常者と比べ、顎機能障害者の皮質賦活領域は狭く、覚醒傾向も明確でなかった。 以上のことから、咀嚼・嚥下ならびにそれらの想起によって賦活される皮質活動性は、咀嚼時間、食品性状など、いわゆる末梢性の感覚と運動の入出力様相に影響され、さらには顎口腔系機能の健常性とのかかわりも示唆された。
|