研究者らは、腐敗臭や機械的性質などの低下につながる、MMA系の吸水性を改善するためにMMAレジンの疎水性化を計画した。疎水性モノマーとして、Phenyl methacrylate(PHMA)の合成方法および疎水性モノマーであるPHMAおよびNorbonyl methacrylate(NBMA)を用いた。これらモノマーにより疎水性化が可能となり、レジンの機械的性質にも向上が認められた。 培地に対する疎水性や揮発性モノマー(Bis-GMA)の分散性と疎水性モノマーを分散させるための分散剤や分散媒を検討した。Bis-GMAは、培地の下層に比べ上層の濃度が高く培地に均一に分散していない。このことは、細胞毒性試験から得られた濃度と毒性との関係が必ずしも正しくないことを示す。一方、本研究で検討した分散剤は、細胞に対し低濃度でも毒性を示し、分散剤として適切でなかった。 また、分散媒についても適切なものがなかった。
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